美ら海水族館で有名な沖縄県本部町にある、全てが無料の音楽スタジオ、「あじさい音楽村」。数々のアーティストを輩出し、今も多くの若者が集うこのスタジオは、現地で弁当屋「あじさい弁当」を営んでいた仲宗根陽(なかそねひかる)さんが、98年に、夢を持つ高校生たちを応援したい一心で借金をして作りました。数年後、仲宗根さんは志半ばで病に倒れます。自らの余命を知りながらも懸命に若者を信じ愛し続けた仲宗根さんと、彼から“生きること”や“夢を追いかけること”の大切さを教えられる若者たち。『天国からのエール』は、この小さな町で起きた大きな感動の実話の映画化です。

昨年秋に、実際に「あじさい音楽村」がある沖縄県本部町(もとぶちょう)でオールロケを敢行、3月頭に完成したばかりの本作が、3月18日(金)〜27日(日)に行われる第3回沖縄国際映画祭で、沖縄の素晴らしさを伝える「特別上映作品沖縄プレゼンテーション」として、上映されました。

そして、この上映に際し、仲宗根陽さんをモデルにした主人公・陽を演じた阿部寛と、犬童一心監督作品を中心に経験を積み本作で初メガホンをとった熊澤誓人監督が、「あじさい音楽村」で実際に活動する若者たちとともに、3月27日(日)上映前のレッドカーペットセレモニーに登場、舞台挨拶に登壇いたしました!今回、阿部寛は、撮影以来の訪沖。地元の人の大歓迎を受けました。また、「被災地のみなさまのためになにかできることを精一杯やれれば」と東北地方太平洋沖地震の被災地への募金を呼びかけながら、“エール”を送りました。

第3回沖縄国際映画祭 特別上映作品 沖縄プレゼンテーション 『天国からのエール』
3月27日(日)  レッドカーペットセレモニー&舞台挨拶

【登壇者】熊澤誓人監督、阿部寛
<レッドカーペットのみ>あじさい音楽村の皆さん(Nuchi,みゅ他)
【会場】沖縄県宜野湾市・沖縄コンベンションセンター
13:00〜レッドカーペットセレモニー/13:20〜【上映前】舞台挨拶/15:35〜【上映後】舞台挨拶

レッドカーペットは、主演阿部寛、熊澤監督のほかに実際にあじさい音楽村で活動する若者たちも集まり、総勢13人の豪華なレッドカーペットとなった。開場は若者を中心に1027のキャパシティの会場がほぼ満席!仲宗根さんの奥様や現地の若者へのエールを届ける場にもなった。

【上映前舞台挨拶】
本編の上映に先立ち、舞台挨拶が行われました。
阿部寛:このようなコンセプトの映画祭に参加できたのを嬉しく思う。あの地震の翌日、海外で撮影があったので想いを残しながら海外に行き、毎日日本の状況を気にしていた。被災地の皆さまのために、なにかできることを精一杯やれればと思っている。そして、この映画のタイトルにもある「エール」を皆さんに送れることを嬉しく思っている。
Q:今回、仲宗根陽さんという実在する人を演じると言うお話を聞いて、どう思われましたか?
阿部寛:(仲宗根さんは)子供たちに本気で、全身でぶつかっていった人。自分にそういう素養があるのかわからず、仲宗根さんのお母さんや奥さんの話を聞いて、少しでも近づけるように頑張れればと思った。
Q: 沖縄だから表現できたことはありますか?
熊澤監督:言葉の温かさが沖縄にある。その温かさが、作品にもきっと表現できていると思う。
Q:この作品を観て、どんなことを感じてほしいですか?
阿部寛:いまも本部町で「あじさい音楽村」は活動しています。仲宗根さんは昨年11月にお亡くなりになってしまったけれど何も変わらず、続いている。「人のために何ができるのか」「夢をあきらめるな」そんな仲宗根さんが普段から仰っていたことを皆さんが少しでも感じて、持って帰ってくれればと思います。
熊澤監督:大切な場所や、大切だと気付いていないけれど大切な人、みんなそれぞれあると思います。皆さんがこの作品を観て自分にとっての大切ななにかを感じ取ってくれればと思います。

【上映後舞台挨拶】
涙で溢れる会場。客席からの大きな拍手に迎えられ再び阿部寛と熊澤監督が登壇しました。「あじさい音楽村」の面々からも、熱い拍手が送られました。
監督:どんなに強い人でも、仲宗根さんのように誰かに支えられ生きているということを映画に込めました。
阿部寛:仲宗根さんは、挨拶をしっかり、人への思いやり、親切、規律正しく、ということを最後まで全うした人です。少しでも多くの人に観てもらって、仲宗根さんの物語を通して今の日本に勇気や力を伝えていければと思います。

【上映後、会場にて阿部寛が東北地方太平洋沖地震への募金を呼びかけ】
上映後の会場で阿部寛、熊澤監督が自ら、映画祭の東北地方太平洋沖地震への募金箱とともに立ち、観客に募金を呼びかけました。仲宗根さんの熱い気持ちを伝えるように、ジャケットを脱ぎ募金をよびかけました。観客のほぼ全員が募金に参加しましたが、阿部寛はその一人ひとりと丁寧に握手しました。