3月24日(木)、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター・シアター1で、映画『阪急電車 片道15分の奇跡』が上映され、先立って行われたシアターレッドカーペット&舞台あいさつに、三宅喜重監督、主演の中谷美紀さん、南果歩さんの3人が登場しました。

はじめに、「この映画は、見た方に笑顔になってもらいたいと思って作った作品なので、この映画祭のコンセプトに合っていると思いますし、参加できて本当に良かった。チャリティーに少しでも協力できればと思っています」と三宅監督があいさつしました。

続いて、寒空の中、白のワンショルダードレス姿でレッドカーペットを歩いた中谷さんは、「個人的にも沖縄は大好きな場所です。一昨日、沖縄に来ましたが、普段なかなか会えない友達にも会えてうれしかったです」とニッコリ。また、南果歩さんも「昨日沖縄に来たんですが、さっそく沖縄の方々の笑顔にすごく元気をもらいました。これを東京に持って帰ります!」と元気いっぱいにコメントしました。

舞台あいさつでは、登壇者が作品に対するそれぞれの思いを語りました。関西出身の三宅監督は「関西を舞台にした、関西を元気にできるような作品を作りたいなと思っていた時に原作に出会いました。読んですごく心があったかい気持ちになったので、皆さんも楽しんでいってください」とアピールしました。

「めんそーれ!」と沖縄の方言を使って会場を和ませたのは南さん。この映画祭に来ることをすごく楽しみしていたという彼女は、今回の上映が3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震のチャリティーを兼ねることになったことに触れ、「今日は私にとっても忘れられない1日になりそうです」と、感慨深げでした。

その後、撮影中のエピソードを聞かれた中谷さんは、電車が5分ごとに入ってくる一刻を争うような撮影だったため、「お昼ご飯が抜きだったことが一番つらかった」と告白。追い討ちのように「お昼ご飯なしでもこんなにいい作品が作れるなら、今後は昼ごはん抜きで撮影しよう!」とプロデューサーに言われたことが「今一番の恐怖です」と話し、観客を笑わせていました。

最後に、登壇者を代表してあいさつに立ったのは中谷さん。「(沖縄のモノレール)『ゆいレール』の“ゆい”というのは“結ぶ”という意味だと聞きました。この『阪急電車 片道15分の奇跡』も、町と町を結び、そして人と人を“結ぶ”作品です」と話したところで声に詰まり、「今、日本中には困難な思いを抱えた方々がたくさんいらっしゃいますけども、涙がいつか笑顔に変わるように、心から祈って、この作品を皆さんにお届けしたいと思います」と涙ぐみながら語ると、会場からは大きな拍手が送られました。