穏やかな川辺のABCホール(メイン会場)にて、大阪アジアン映画祭2011の上映がスタートしました。

追加上映となった『一万年愛してる』にも、多くのお客様が来場。
ハッピーで楽しいエンターテインメント作品を多いに楽しんでいただけました。
夕方からの記者会見には、『ハウスメイド』のイム・サンス監督をはじめ、初のコンペティション部門の審査委員を務める行定勲氏(日本/映画監督)、キム・デウ氏(韓国・映画監督)、ミルクマン斉藤氏(映画評論家)が登壇し、新しい歴史を刻む大阪アジアン映画祭2011への抱負を語ってくださいました。
(下記、登壇者のコメントあり)

いよいよメイン会場での上映が始まった「大阪アジアン映画祭2011」。
今日は、『Servant 春香秘伝』のキム・デウ監督、『ドリーム・ホーム』のパン・イクチュン監督が来場。
また、明日は全プログラム来場ゲストがあり、18:45〜の『単身男女』では、来日ゲスト全員が登壇し、ワールドプレミア・スクリーニング『単身男女』を彩ります。

▼登壇者コメント▼
イム・サンス監督:
「みなさまはじめまして。今日大阪に到着しました。大阪には2回来ていますが、毎回短い滞在なのが残念です。今回はオープニング作品に選んでくださってありがとうございます。いつもは私の映画は小さく公開されているんですが、いつかは大きく上映されることを願っています。」

行定勲監督:
「数年前に大阪アジアン映画祭にちょっとだけ参加してもらったときに比べると、コンペ部門ができたりと映画祭が進化しているところに第一回目で審査員に選ばれることに非常に感謝しています。3人での選考は難しいですが、この3人でアジアの独自性を評価することは楽しみです。キム・デウ監督と少し話をしましたが、映画に真剣に向かい合っているお話を伺い、背筋がのばされたような気分です。楽しみにして下さい。」

キム・デウ監督:
「はじめまして。小さいときから今まで日本の文化に学んできました。大阪は好きなので何度もきています。今後も日本の文化をもっと学び、もっと映画を勉強したいです。ありがとうございました。」

ミルクマン斉藤氏:
「大阪に住んで日本のいろんな映画祭を見るうちに、大阪で新作を集めた映画祭があまりなかったということがとても寂しかったです。いよいよコンペ部門ができるときに携わせていただき、非常に感激しています。ただ芸術性が高いだけでなく、エンタテイメント性に富んだ作品を持ってきていて、素晴らしいです。緊張感を持って、ワクワクしながら臨みます。ご期待ください。」

挨拶後の『ハウスメイド』のイム・サンス監督Q&Aでは、チョン・ドヨンさんを起用した理由について、「自殺にはじまり自殺に終わる暗いストーリーをみせるには、ビッグスターの起用が必要だった。」と語り、「本能的なチョン・ドヨンさんと撮影することで映画を撮る面白さを120%感じることができた。」と“神が乗り移った巫女のような俳優”と絶賛されていました。

オリジナル版『下女』との違いについては、『下女』が戦争が終わってミドルクラスが作られた時代の話で、下女と関係をもった主人は罪の意識にさいなまれていたのに対し、今回はミドルクラスがなくなり、スーパースーパーリッチが生まれた現代の韓国で、主人は自分のハウスメイドを妊娠させ、全く罪の意識のない男が描かれているのだとか。
韓国でも海外でも必ずインタビューでオリジナルの『下女』の話をしなければならないと苦笑いしながらも、「社会の階級の中の下にいる女性を描きました。より政治的な、経済的なことを描いたんだと思います。」と記者会見を締めくくったイム・サンス監督。

続く、本映画祭オープニング・セレモニーでは満席のお客様を前に登場。
女性を主人公にその心情を描くことの多い監督の演出について質問されると「それは、女性が好きだから」と述べ、会場も笑いに包まれました。

【大阪アジアン映画祭2011開催】
●日程:3月5日(土)〜13日(日)
●会場:ABCホール、大阪歴史博物館 他
●公式サイト>> http://www.oaff.jp