1月29日より本日まで新宿・K’s cinemaにおいて、東京に凱旋公開された『ヘヴンズ ストーリー』。

間もなく始まるベルリン国際映画祭フォーラム部門への正式出品、キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門第3位、映画芸術ベストテン第1位、高崎映画祭では作品賞をはじめ4部門受賞、第65回毎日映画コンクール脚本賞受賞など、2010年度を代表する映画の1本としての高い評価もあり、劇場には連日、非常に多くの観客が詰めかけ、全日満席と大盛況となった。

東京凱旋を記念して、連日上映後にトークショーを実施していた今回の公開。
出演者の山崎ハコ、寉岡萌希、長谷川朝晴、伊藤猛、川瀬陽太、ルポライターの内澤旬子氏、松江哲明監督、井土紀州監督、本作のカメラマン鍋島淳裕氏、俳優の染谷将太さん、瀬田なつき監督、古澤健監督など、連日テーマに沿って様々なゲストに登壇いただいき、最終日の本日は、瀬々監督にとってピンク映画の先輩の若松孝二監督と同郷の先輩の山本政志監督、という、何かがおこるかもしれないという強面のゲストととのトークが開催された。

両監督共に、瀬々監督の志の高さを評価し、「風景」を撮ることの重要性などこれまでも映画マスコミから評価されてきたポイントについて、自身のこだわりなどを絡めて熱くトークが展開された。特に若松監督は、「映画監督を志したからには撮らなければいけない映画、瀬々監督が大切に撮った作品」と評価。さらに「CG全開の××みたいの観たってしょうがない」「病気で死ぬ××みたいな映画なんてなんだ」と歯に衣を着せない発言を連発し、ある意味予想通りの、自由自在なトークが展開され、時間は大幅にオーバーした。

また、今の日本映画界の現状を憂いながら、この4時間38分という映画を観ようと劇場にきたお客様はすごい、素晴らしい、と熱く語り、瀬々監督はじめ、会場にトークを聴きにきていた出演者の山崎ハコや村上淳、他全スタッフの胸を熱くさせ、大盛況となった今回の上映の締めくくりに相応しいトークショーとなった。

なお、残念ながらお帰りいただくことになってしまったお客様の多さに、劇場はふたたび本作を上映することを決断、今秋のアンコール上映が決定。

更に、明日からの横浜シネマ・ジャック&ベティ、3月5日からはアップリンクファクトリーでの上映の際にも、今回前売り券を買ったにも関わらずご入場いただけなかったお客様の為に前売り券の使用も可能に。いち早くご覧になりたい方は是非、横浜シネマ・ジャック&ベティへお越しを!