“もしも最高の漫画が描けるドーピング剤があっても自分には必要ない!”グラップラー刃牙作者がドーピングを語る『ステロイド合衆国』トークイベント
アメリカでのステロイド使用の実情を、兄と弟が実際にステロイドを使用しているという立場の監督が撮ったドキュメンタリー。『ステロイド合衆国』本作では遺伝子操作で作られたステロイド牛など衝撃的な映像とともに筋肉に憧れてドーピング使用にいたるアスリートたちの姿に迫る。
長編格闘漫画、『グラップラー刃牙』シリーズで知られる板垣さんは、格闘技やボディビルの大会も観にいくことがあり、実際に現場で見たステロイド使用者の体について、「ミスターオリンピアっていうアメリカで一番大きな大会に行ったときは、本人達もステロイドを使っているって認めていて、176cmの選手が体重は130kgでなんと体脂肪が2パーセント!トップの選手は、筋肉の筋を見せるために体脂肪5%まで落とすからフラフラで、全然健康に見えないんですよね。」とその印象を語った。
また日本ボディビル連盟の玉利会長は、『ステロイド合衆国』の中にも登場するアメリカのボディビルダーと日本との比較として、日本のボディビルトップの選手で国際競技でステロイドを使用した人は、十数年間の間で1人も出ていない。しかしアメリカでは、ドーピングが禁止されているアマチュアでの参戦が少なくなっており、今はほとんど出てこない。みんなストロイドが黙認されているプロの世界にいってしまう。」と大会自体にも薬物の存在が影響を与えていることを語った。
「プロの世界では、ステロイドを使っていいというルールはないが、使ってはいけないというルールもない。使うのは、アダムとイヴの禁断の木の実を買った人種たち。試合後にバタっと倒れて死んじゃう人もいる」と恐ろしい副作用についても語った。
また、板垣さんは『グラップラー刃牙』を描き始めたきっかけについて「ボディビルダーを見た時に、なんで闘わないのかと思った!おしゃれして自分の姿に自信をもったら町に出たくなるのと同じように、その体で闘えよ!と思った。」と語った。
最後に板垣さんは、「もし、最高の漫画が描ける薬があったら使いますか?」という会場からの質問に、
「僕には必要ないですね」と締めくくり、会場は笑の渦に包まれた。