カンヌ映画祭でミヒャエル・ハネケ監督は『ピアニスト』で審査員特別賞ほか3賞、『隠された記憶』で監督賞ほか3賞を受賞してきた。そして、最新作『白いリボン』は監督の集大成とも言うべき作品で、満を持して2009年にカンヌ映画祭最高賞のパルムドールを受賞した。その他にも国際批評家連盟賞も同時受賞し、ゴールデン・グローブ賞など世界の映画賞32部門を受賞。アカデミー賞・外国語映画賞にもノミネートされて一層の話題を呼び、日本公開が待望されていた。
12月4日(土)より銀座テアトルシネマにてようやく公開され、連日全回満席のご好評をいただき、12月21日(火)に大ヒット記念といたしましてトークショーを開催いたしました。登壇者は『白いリボン』のモノクローム映画に魅せられたエドツワキさんと『ピアニスト』でハネケ監督作品に出会ったカヒミ・カリィさん。両者に『白いリボン』の素晴らしさについて語っていただきました。

日時】 12月21日(火曜日) 【時間】 18:30〜19:00 【場所】銀座テアトルシネマ
【ゲスト】 エドツワキさん(アーティスト)×カヒミ・カリィさん(ミュージシャン)
【司会】レイチェル・チャン(J-WAVEナビゲーター)

エドツワキ、カヒミ・カリィ、「白いリボン」に見事にハマった!

カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した、ミヒャエル・ハネケ監督の最新作『白いリボン』のトークイベントが12月21日、都内の劇場で行われ、アーティストのエド・ツワキとミュージシャンのカヒミ・カリィが出席した。

同作は、第一次世界大戦前、ドイツ北部の小さな村を舞台に、プロテスタントの教えを忠実に守りながら静かに暮らす人々が、次々と奇怪な事件に襲われていく姿を美しいモノクロームの映像で描き出したミステリー。カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール、2010年ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞他32部門の映画賞を受賞、54部門でノミネートされた話題作だ。

もともとモノクロームの映像や写真が好きだったというエドは、ハネケ監督によって切り取られた作品世界を「フェルメールの絵画を切り取ったようだった」「ハンマースホイのように想像力を描き立てられる。非常にグラフィックだし、触発される。」とアーティスティックに作品を分析し、大絶賛。

『ピアニスト』以来のハネケ監督ファンであるカヒミは「芸術に触れたような充実感を受け、癒しのようなものを感じた。セラピストと会話したような、不思議な作品」と評し、物語で重要人物となる子供たちについて、「子供は生まれながらして『闇』を持っているのか。それとも純粋な状態から世の中に出て行くことで変わっていくのか。そういうことを考えさせられる深い映画だった」と1歳の子供を持つ母親ならではの視点を語った。
また、事件の全容が明らかにされない本作に「5回観たけど、未だに犯人がわからない」と見事にハマってしまったことを打ち明けた。