世界的彫刻家イサム・ノグチの母親、レオニー・ギルモアを描いた映画『レオニー』。本作の初日舞台挨拶が角川シネマ新宿にて開催されました。舞台挨拶の最後には、本作の音楽を担当されております、ヤン・A.P.カチュマレクさんが大きな花束を持って登場しました!

【日程】11月20日(土)12:40〜
【場所】角川シネマ新宿(新宿区新宿3−13−3新宿文化ビル4F)
【登壇者】
中村獅童/ 吉行和子 / 山野海 / 松井久子監督 /ヤン・A.P.カチュマレク 

●ご挨拶
中村さん:
こんにちは、中村獅童です。本日はお忙しい中、劇場まで足を運んでいただきありがとうございました。歌舞伎という演劇は生でお客様の反応を伺えますが、映画は、お客様の手によって作品を育てていただくことが出来るという点に魅力を感じます。末長くこの作品を愛していただけたらと思います。よろしくお願い致します。

吉行さん:
いつこの日を迎えることが出来るのかと、楽しみにしておりました。この作品に参加できて本当に嬉しく思います。よろしくお願い致します。

山野さん:
やっと皆さんに観ていただける日がきました。周りの方にたくさん宣伝していただけたらと思います。ありがとうございます。

松井監督:
今日はお忙しい中、ありがとうございます。2003年の春にこの作品を作りたいと思った時から、完成するまで7年半という歳月がかかりました。ハードな日々でしたが、ゴ—ルを迎えられて嬉しいです。支えてくれたマイレオニーの人々や、日米併せて約400人のスタッフに感謝します。また、本日この劇場にお越しいただいたお客様にもお礼の気持ちでいっぱいです。映画は、時代を超え、長く観続けられるものであるべきだと思っておりますので、この作品も長生きできるよう、お力を貸して下さい。今日はありがとうございます。

●Q&A

Q:最初にこのお話しをいただいた時のお気持ちはいかがでしたか?また、役作りについてお聞かせ下さい。

中村さん:
なんだか劇場にいる女性からの目線がキツイ気がする…(笑)。最初にオファーをいただいたときは嬉しかったです。今までに演じたことのない役柄でしたし、2年前に亡くなった父がこの作品に出演することをすごく喜んでくれていたので、それが決め手の一つになりました。脚本だけ読むとヒドイ男ですが、なぜ、レオニーが彼に惹かれたのか、という点が課題でしたね。監督ともお話しさせていただき、芸術に懸ける情熱を上手く表現できたらと思って演じています。ただのヒドイ男のために日本までこないでしょうから。

吉行さん:
この作品を作ると聞いたときは、嬉しくもあり、心配でもありました。原作を読ませていただいたときは、私の演じる役が出てこなくて…(笑)。あとから、監督にイサム・ノグチが初めて会った日本人女性という役を、私の為に作ったのよ!とお聞きしました。すてきな女性演じさせていただき、この作品に参加できて本当に嬉しいです。

山野さん:
脚本も素晴らしいですが、とにかく現場がすごくいい雰囲気で毎回泣きそうになってしまうくらいでした。みんなが一つになって頑張ろうとしていて、手作り感溢れる素敵な気持ちの良い現場。この作品に参加できて本当に良かったです。

Q:今回の役柄はヒドイ男ということですが…

中村さん:
僕は彼が悪役だとは思っていません。まっすぐ、正直に生きている人で、実は一番ずるくないのかも。芸術に対する純粋な気持ちや情熱は素晴らしいと思います。僕も好きなことを仕事にしているという意味では、彼と同じように夢中になりすぎて周りが見えなくなったり、失敗したりということは多いです。自分に通じるものがあるかと言われれば……あるかもしれませんね(笑)。

Q:キャスティングについてお聞かせ下さい。

松井監督:
脚本を書いているときから、中村さん!と思っていました。存在感がすごくありますし、私は中村さんのことを日本一セクシーな俳優さんだと思っています。ヒドイ男でもセクシーな男性なら許せちゃいますから(笑)。
全身を映したときや所作が本当に美しくて素晴らしいです!

中村さん:
この時代の日本人男性は今とは全然違うと思います。近いようで遠い日本人を演じるのは難しかったです。こういう役をもっと演じてみたいと思いますし、いい経験になりました。

Q:最後に一言メッセージをお願いたします。

中村さん:
この作品に出会って、父や母から受けた影響というものについて考えました。やはり母からの影響は大きいですよね。女性も男性も、色々なことを感じていただけたらと思います。この作品に出会えて良かったです。ありがとうございました。

吉行さん:
この作品はまたとない映画だと思います。ここまで女性について深く描かれている作品は他にありませんから。この作品を観たことで、何か感じること、変わることがあると思いますので、是非、何回も観ていただけたらと思います。

山野さん:
この作品には、なぜこうなったのかという説明をするシーンが少ないと思います。優しさや、強さがいっぱい詰まっている作品なので、考えるのではなく、感じてください!今日はありがとうございました。

松井監督:
1回目と2回目では感じ方が違うという感想をよく聞きます。もし、今日この作品を観て、いいなと感じてくれていたら、何回でも観に来ていただければと思います。主演のエミリーも撮影監督の永田さんもこの場にいなくて残念ですが、この日を迎えられたことを喜んでくれているはずです。大きな映画館での上映は初めてですし、人が少ないとすぐに上映終了してしまうので怖くもありますが…(笑)。どうぞ宜しくお願い致します。ありがとうございました。

●最後に、海外からのスペシャルゲスト、ヤン・A.P.カチュマレクさんにお越し頂きました。ヤンさんは、松井監督に大きな花束を贈呈し、初日公開をお祝いしました。

ヤンさん:
この作品の公開をお祝いするために来日しました。日本に来たのは初めてで、おいしい食事やたくさん写真を撮ったりしてすごく楽しんでいます(笑)。残念ながら明日、帰国してしまいますが、松井監督やプロデューサーに歓迎していただいて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

松井監督:
口説きに口説いて一緒にお仕事させていただけることになりました。ラブレターも書いたんです!

ヤンさん:
ヨネ・ノグチの詩よりも美しいラブレターでしたよ(笑)。