11月20日(土)、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、『パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT』の上映前初日舞台挨拶イベントが行われ、主演の中村蒼、青山倫子、そして長江俊和監督が登壇した。世界中で大ヒットを記録した前作『パラノーマル・アクティビティ』の正統な日本版続編として製作された本作、長江監督は「午前中に舞台挨拶をしたばかりなんですが、上映中、あまりの怖さに劇場が揺れるくらい『ギャー!』という悲鳴が聞こえて来て、とても嬉しかったです」と喜びを表した。主演の中村蒼は先月末に全米公開された米版続編の大ヒットを受け「本作は間違いなく自信作なので、(米版を)食ってやりたいです!」と、力のあまりセリフを噛みながらも猛烈アピールして会場を沸かせた。また、上映中の悲鳴を聞いて「思わずガッツポーズしちゃいました(笑)」という青山も「ホラー映画はやっぱり日本が強いと思います。思いっきり怖がってもらえたら嬉しいです」と話した。また、米版シリーズ3作目の製作が決定したという報を聞いた長江監督は「編集や音響といったハリウッドの緻密な演出と、Jホラーの怖さが混ざってるので、(米版よりも)すごく怖くなっていると思います。実は日本版の『第3章』も水面下で動いています。実現する可能性は高いと思います」と話し、早くも次なる日米対決に意気込みを見せた。舞台挨拶後に3人は、悲鳴文字の書かれたパネルを持った、これから本当の恐怖を味わう(本編をご覧になる)であろう人たちとともに写真撮影を行い、和やかなイベントとなった。

Q:ご挨拶を兼ねて初日を迎えた感想を。
中村:みな様お越しいただきありがとうございます。撮影がすごく短い期間だったので、あっという間にこの日を迎えた気がします。初日をこんなにたくさんの方に見ていただけてすごくいいスタートが切れたと思います。ありがとうございます。
青山:こうして初日を迎えるとほんとうれしいです。午前中に舞台挨拶をひとつ行ってきたのですが、その映画館では「キャー」という絶叫が聞こえてすごくうれしかったです。
長江:初日来ていただいてありがとうございます。アメリカの「パラノーマル・アクティビティ」の続編ということで、非常に悩んで苦労して作った作品ですが、ものすごく怖く出来上がったと思います。皆さん、ぜひお化け屋敷に来た感覚でこれからごらんいただきたいと思います。

Q:前作が社会現象まで巻き起こしたヒット作ですが、オファーがきたときどう思われましたか?
中村:もちろんアメリカのオリジナルは知っていて、そんな有名な作品に主演でというのはものすごくうれしくて、でもホラーが苦手な僕は現場も怖いのかな、と思って半々な感じでしたが、結果的  にはやれてよかったです。自信作です。間違いないです。
青山:最初にお話いただいたときはびっくりしました。オリジナルをまだ見ていなかったんですが、ものすごく注目された作品で言われたときにすぐみて、見た瞬間から自然な演技・世界観が自分たちに出せるかがプレッシャーでした。終えてみて、現場でちょっとパラノーマル的な現象も起きたりして、楽しく過ごせました。みんな過敏になっていて、ちょっとの物音ですごくびくついてました。
中村:それを見て僕は面白がってました。みんなすっごい反応してたので。またそれが伝染していって僕は笑ってました。現場はすごく楽しくていっつも笑顔でした。
青山:でも、こう見えて蒼くんはすっごく怖がりなんです。
中村:でも、顔に出さないだけです。

Q;監督はオファーを受けたときは?
長江:当然作品は知ってましたし、すごく光栄だな、と思いました。いざやるとどういうストーリーにしてどういう映画にするか非常に悩みました。前作と同じことそのままやってもしょうがないし、試行錯誤してシナリオを作りました。

Q:この映画のキーワードとして「リアリティ」というものがあると思うんですが、リアリティを出すために心がけた点はございますか?
中村:自分にも姉がいるので、それに置き換えてこの作品を考えました。姉とは基本的に面と向かって目を合わせてしゃべることは少ないな、と思って。何かをしながら話すことが多いので、監督に伝えて、ご飯を食べながら掛け合いをやらせてもらったり。普通のお芝居だとなるべく食べ物は避けたりするんですが、今回はその辺がすごく自由だったので口にいっぱい含んでみたりとか、そういうことをやってみました。台詞も自由だったので気持ちが吹っ切れてなんでもやっちゃえという気持ちになりました。
青山:ほんとに自分の中の固定概念をとっぱらって自由にカメラの前でもすごして、それを心がけてやりました。蒼くんともずっと昔から一緒にいる姉弟なので、常に映画の中では冷たくあしらわれるんですけど、おせっかいなおねえちゃんという風にそれがまた見えたり。最初はすごく難しいなと思ったんですけど、監督とも蒼くんともお話して、台詞の中にナチュラルさを出すためにアドリブを入れていこうという部分は一致していたので、やりやすかったです。
長江:もともと最初にお会いしていろいろご相談したんですが、まず言ったのは絶対台本どおり台詞を言わないで下さい、ということでした。台本どおりやっちゃうとやはりナチュラルじゃなくなっちゃうと思ったので、自分の言葉に置き換えてやってもらいました。このシーンで伝えたい要点だけ伝えて。蒼くんなんかは「これ台詞覚えなくていいんですね」ってよろこんでましたね。(笑)
中村:普通はちゃんと覚えるんですよ(笑)。手を抜いてたわけじゃないんですよ。シーンごとに伝えたいことだけ頭に入れて、それまでの過程はサラサラサラっと見るだけです。それは敢えてということです。
長江:撮影方法も弟の幸一がほとんど回していたので、ほぼカメラワークも80パーセントくらいは中村君がやってます。芝居しながら、ご飯食べて台詞いいながらカメラで結構大変だったと思います。
中村:なのでエンドロールに撮影助手くらいで「中村蒼」って入れてほしかったんだけどなかったんです。
長江:ごめんなさい(笑)
中村:嘘です(笑)なので、皆さんがこれから見る映像はほとんど僕が撮ってるので、そこも注意してみてほしいです。

Q:撮影中青山さんが設定として両足骨折という設定ですが?
青山:ものすごく時間がかかるので、朝行ってギブスを一回はめると自由にとれないので、ご飯のときしか取れなくてすごいフラストレーションがたまりました。すごく苦しかったです。

Qアメリカでは実はパラノーマル2が大ヒットしてて、3が作られることも発表されましたが、日本で第3章はいかがですか?
長江:実はまだ公にはされてないんですが、水面下で第3章をやろうという話もあり、ちょっと動いてます。やる可能性が非常に高いです。日本でもシリーズ化していこうかなと思ってます。今はじめていいました。
青山:そこに私は?
長江:まだ内容がぜんぜん未定なので、今日お客さんにも第2章ごらんいただいて第3章がどうなるかイメージ膨らませていただければと思います。

Q:世界30カ国で配給が決定しておりますが、これから日本版と日米対決になる可能性がございますが、それに対しての意気込みは?

中村:もちろん負けたくないです。それを頭に入れつつ撮影をしていて、せっかくならアメリカで上映されて、ホラー大国日本が作っただけあって、これもすごいなと思ってほしいです。くって、くってやりたいです。あ、かみましたけど。力がありあまりすぎてかみました(笑)
青山:ダメダメじゃないですか(笑)。ホラーって日本がすごく有名なので、そこは絶対に譲りたくないです。現場でもスタッフの方が「ハリウッドを驚かせてやろうぜ」とか言ってて、「あ、自分はハリウッドに作品を持っていけるような素敵な作品に参加してるんだな」と実感していて、負けたくないです。私はかまなかったです(笑)
中村:さすがです(笑)
長江:やっぱり実際オリジナルを何回か見て、ハリウッドって編集とか音響とかハリウッド流の緻密な演出がされていて、それを生かしているのと、そこにJホラーのテイストを混ぜているので、アメリカ版よりもすごく怖くなってると思います。

Q;これからごらんになる方へ最後に一言。
中村:すごくこわいのはもちろんなんですが、その中でも僕らは姉弟という設定なので、弟の僕は最初冷たくしてるんですが、徐々に何かがおき始めると「お姉ちゃんのために何かしなきゃ」とか、そういう姉弟愛も描かれているので、その辺にも注目していただきたいです。そして、映画館なので普通は静かに見ると思うんですが、この作品は思いっきり声を出して見ていただきたいと思います。
青山:お化け屋敷に行ったような感覚で思いっきり怖がっていただきたいです。先ほど舞台挨拶をした劇場では、劇場の外まで「キャー!!」という声が響き渡っていて、「キャー」という声を出すのが恥ずかしい方はお手元の絶叫パネルを上げて後ろの人に邪魔にならない程度にアピールしていただけたらうれしいです。ぜひ楽しんで帰ってください。ありがとうございます。
長江:ハリウッド映画の続編で日本で製作するのは今までなかったし、内容も従来のホラー映画にはなかったリアルな感覚と、Jホラー的な恐怖を合体させた、新感覚のホラーになっているので、その辺もお楽しみ下さい。