古書店で偶然発見された実在の家計簿から浮かび上がった幕末の武士の生活を生き生きと読み解き、教養書としては、異例のベストセラーとなった磯田道史氏の『武士の家計簿「加賀御算用者」の幕末維新」を基に映画化した話題作「武士の家計簿」が、12月4日に全国ロードショーとなります。

そして、昨日10月28日、映画の舞台である金沢にて『武士の家計簿』の出演者と監督による記者会見と舞台挨拶が行われました。
地元の方の温かい空気に包まれ、終始和やかな舞台挨拶となりました。

■『武士の家計簿』完成披露記者会見
日時:10月28日(木)17:20〜17:50 
場所:北国新聞20階ホール

■『武士の家計簿』完成披露試写会
日時:10月28日(木)18:00〜18:40
場所:北国新聞赤羽ホール(キャパ504)

●登壇者:
堺雅人(猪山直之役)、中村雅俊(猪山信之役)、森田芳光監督 計3名

【会見】

■Q:今日は完成披露記者会見という事ですが、お気持ちはいかがですか?

●堺雅人:
昨年12月、金沢に撮影で来ておりました。こうして戻ってくる事が出来て、大変嬉しく思っております。

●中村雅俊:
先日試写を見ましたが、他人事のように「良い映画だな」と思いました。

■Q:時代劇ブームが来ていますが、侍を演じる上でどういった事を意識されましたか?

●堺雅人:
普通の武士の暮らしを描いた映画なので、威勢が良かったりもせず、あまり仰々しくならないように演じました。

●中村雅俊:
何かを受け継いで次の世代に繋げていくのが侍だと思っています。
劇中で、猪山家は厳しい生活を強いられていますが、貧しい時でも、以前と変わらずに家族で食卓を囲んでいる。現代の親子の絆にも繋がるのではないでしょうか。

■Q:みどころを改めてお願いいたします。

●森田芳光監督:
人間が困った時や苦しい時に出るのがその人の品性だと思います。この映画の猪山家を現代のヒントとして皆様に与えたいです。

●堺雅人:
家族の食卓のシーンです。どの時代にも共通する家族の営みが描かれているのではないかと思います。今の我々も彼らと同じなんだと認識を持つことが時代劇の楽しみ方かもしれないですね。

●中村雅俊:
この映画は人間の崖っぷちを描いた映画。お金がある時も、崖っぷちの時も変わらずに食卓を囲んでいるのが印象に残ったので、そこを見てください。

【試写会】

■Q:金沢を舞台にした映画という事ですが、完成披露を迎えていかがでしょうか?

●堺雅人:
金沢の心をフィルムに焼き付けられたのではないかと思います。

■Q:改めて本日金沢に来てみて、印象はいかがでしたか?

●堺雅人:
空港から会場まで直で入ったので、今日が寒いかどうかもわからない状態なのですが(笑)、公開初日までゆっくり、金沢の良いところを見ていきたいと思っています。

■Q:『武士の家計簿』には、どんなメッセージが込められていると思いますか?

●堺雅人:
家族の凄さ、温かさだと思います。金沢が舞台じゃなかったらまったく違う映画になっていたと思うんです。
金沢の皆さんの雰囲気や、素敵な部分が詰まった映画になっていると思います。

●中村雅俊:
映画を見て改めて思ったことは、愛情が色々な形で出ているという事です。信之(中村雅俊)と直之(堺雅人)の間と、直之と成之(伊藤祐輝)の間の親子愛にしても違うし、信之とお常(松坂慶子)のちょっとした会話の中から見られる夫婦愛も映画の中から感じ取れます。

●森田芳光監督:
人間弱った時、困った時の姿が品性が出るし、個人の品格が、国家の品格にも繋がる。この映画は、シンプルに優しく、自然と日本人のDNAを伝える事が出来るのではないかと確信しています。
皆様から、是非全国に広げてください。

以上