このたび、ファッション業界を夢見る若者たちの姿を描いた映画『パラダイス・キス』の撮影が、世界のファッションをリードする流行の発信地、NYにて行われた。今回撮影されたのは、主人公の紫がNYを訪れるシーン。本作の最も重要なシーンの撮影ということで、緊張感も高まるなか、新城毅彦監督が、主演の北川景子と向井理に、細かく丁寧な演出をつけていく。8月から行われてきた撮影で、モデルやデザイナーの卵を演じてきた二人だけに、ファッション業界を目指す誰もが夢見るNYに感慨深い様子。撮影は、現地のスタッフの協力のもとスムーズに進み、短い滞在期間ながら、ファッションの聖地であるソーホーや5番街のほか、タイムズスクエアやセントラルパークなどNYの象徴的な観光地でも行われ、作品にゴージャスな存在感を添えた。
つきましては、現場の北川さん、向井さんからコメントをいただきました!

北川景子・向井理 ほぼクランクアップインタビュー in N.Y.

▼ 北川景子編
・NY篇の感想を聞かせててください
「正味5日間の撮影で、すごいタイトではあったんですけど、NYの素晴らしいロケーションで撮ることができたので、そこはすごく良かったなと思います。天気とか色んなことも心配だったんですけど、ここまで順調にやってこれたので、本当にみんなに感謝しています。」

・監督と役についてどのような話をしましたか?
「あんまり監督と役について話したことって正直ないんです。新しいシーンの撮影に入るたびに細かい指導はありました。監督は特に何もおっしゃらなかったので、きっと監督が思い描いている紫と私が思っていた紫の方向性が同じ方向に向いてると思って演じました。今回紫役をやるって決まって、初めて『パラダイス・キス』を読ませてもらった時に、すごく紫という役に共感したので、その時の第一印象を忘れないで演じたいなと気をつけながらずっとやっていて、きっとそれを監督も認めてくれているのかなという感じはします。」

・映画を通じてファッションについてどういうふうに考えるようになりましたか?
「良いことも悪いことも一つずつ思い出したんですが、“オシャレには苦痛が伴うものだ”ということを再確認しました。動きづらかったりヒールがすごい高かったりするので、やっぱりオシャレでいることは大変。楽してオシャレはできない、っていうのが分かりました。イザベラの『キレイな洋服とか美しいメイクアップ、そういう装いは人に勇気や自信を与える』というセリフがあったと思うんですけど、本当に女性に自信を持たせてくれるのが美しい装いやヘアメイクだと、撮影を通じて思いましたね。台本読んだ時に「たくさんのエキストラさんの前で堂々と歩けるかな」とか色々心配はあったんですけが、本当に素晴らしいドレスがみんなのおかげで出来上がって、本当にキレイなヘアメイクとヘアスタイルだったので、そこで自信を持ってやることができたのではないかと思うので、ファッションは”女の子の味方”だと思います。」

▼ 向井理編
・監督と役についてどのような話をしましたか?
「細かいところは多少しましたが、大まかなところはそれほど話していないですね。クランクインのときに少し話したので、だいたい固まってくると、自分で掴んだものとか、監督が作り上げたものが身体にしみ込んでくるので、そうなってくるとあまり話さなくても良くなってくると思います。今回はわりと早い段階で固めることができたんじゃないかと思います。」

・撮影が始まってからの、役に対する手応えは?
「常に手探りなので、撮る時はいつも不安ですね。連ドラみたいに毎週見れるわけじゃなくて、映画は公開まで見れないですし。不安と期待と。だから初号も毎回まともに観れないんです。」

・ジョージを演じるうえでの悩みなどありましたか?
「やっぱりマンガ原作というところですね。読んだ人はそれぞれ声や動きのイメージを持っているので、そことの違和感を考えると身動きがとれなくなってしまいます。なのでそこは自分なりのものをやろうと割り切ってやるほかないので、何というか勇気みたいなものがいつも必要ですよね。」

・ファッションデザイナーのお兄さんに相談しましたか?
「デザインとかそういう細かいテクニックも大事ですが、ジョージというキャラクターをどういうふうにするかの方で、自分の頭の中はいっぱいだったので、結局相談しなかったですね。確かにファッションデザイナーという要素は必要なんですけど、人間として描きたい部分が多かったので、あまりそこで人に頼らないほうがいいなと思ってやめときました。今回は。」

・映画全体とおしてのファッションはいかがでしたか?
「全部オーダーでサイズを作ってもらったので、体形を変えられないなというのはありました。全部タイトだったので、難しい部分と、ファッションとして楽しめた部分と両方です」

・北川景子さんの印象は?
「北川さんは今回お会いするのも初めてで。とても素直な方なので、わりと腹を割って話すこともできました。それは役柄として距離の近い関係性でやるにはやりやすかったなと思いますね」

・撮影で印象に残っていることは?
「ファッションショーのシーンですね。僕はあまり出なかったですが、北川さん含めプロの方々もいっぱいいて。ああいうことを見たことがなかったので、素敵だなと思いました。だから、出たかったなっていうのが(笑)。でもファッションに関する作品なので、どのシーンというより、やっぱりひとつひとつがとても細かくて、ファッションに対してスタッフの妥協が全くなかったので、それは素晴らしいことだと思いました」