巨匠・マノエル・デ・オリヴェイラ監督100才の新作「ブロンド少女は過激に美しく」が東京・日比谷 TOHOシネマズ シャンテにて公開され、多くの観客が詰めかけた。第1回の終映後は、本作撮影中に100歳の誕生日を迎えたオリヴェイラ監督を追ったドキュメンタリー「クエスト〜探求者たち〜100歳の映画監督 オリヴェイラの情熱」(2009年WOWOW放送)の特別バージョンが上映された。トークゲストに「クエスト」演出のフリーディレクター小林三旅氏と、日大芸術学部教授の古賀太氏が登場し、オリヴェイラ監督の素顔や、撮影現場のことなどを語った。
オリヴェイラ監督は今まで一度も撮影現場のメイキングをいっさい許可しておらず、「怒られたら撮影とめて帰ればいいや、という気持ちでカメラを回していました。そしたら撮れちゃって(笑)でも、そのあと息子のカジミーロさんに出来上がった作品を送ったところ、「オリヴェイラにも見せた。とても良いドキュメンタリーだと喜んでいたよ」と言われて嬉しかった」と語った。
また、 “ブロンド少女”カタリナ・ヴァレンシュタインについてもかたり、「元々彼女は黒髪だったけれど、この作品のためにブロンドにしたそうです。オーディションのとき、オリヴェイラはパソコンをぱちぱちと打ちながら話をしていた。今思えばあれは主人公マカリオになりきっていたのかも、そういうシーンがあったから、と話していた」(小林氏)
古賀氏は、<小津安二郎生誕100年>でオリヴェイラ監督の来日を実現させたときのことを振り返り、「小津監督のお墓参りに行った時のこと。オリヴェイラ監督が石段を後ろ飛びでぴょんぴょん登ってみせるわけですよ。当時95歳なのに、みんなヒヤヒヤするんですけどね」とおおらかでユーモラスなオリヴェイラ監督の素顔について語った。
「ブロンド少女は過激に美しく」を見終わった観客からは「オリヴェイラ演出の“省略の美しさ”、まさにそれにつきる!」(50代男性)、「先の展開が読めず、はらはらして、それがとても面白かった」(30代女性)「重厚感がある映像で、まさに“映画”って感じ」(40代女性)などの声が聞かれた。

「ブロンド少女は過激に美しく」
日比谷 TOHOシネマズ シャンテにて絶賛公開中!