俳優・榎木孝明が企画・主演した映画『半次郎』(配給:ピーズ・インターナショナル)が、10月9日(土)より全国順次公開される運びとなりました。榎木の故郷、鹿児島の志士・西郷隆盛の側近であった中村半次郎の波乱に満ちた生涯を描いております。
つきましては、本日10月9日、キャスト・監督による初日舞台挨拶が行われました。

【日程】10月9日(土)
【場所】シネマート六本木(港区六本木3)
【登壇者】榎木孝明、AKIRA(EXILE)、白石美帆、五十嵐匠監督

<登壇者のコメント>
MC:鹿児島出身で、今回は企画から携わられたとのことですが、この映画に対しての思いをお聞かせいただけますか?
榎木:中村半次郎という人物に対して昔から強い憧れを持っていました。そして、いつか自分で演じたいという夢がありました。夢を持ち続け、周りに言い続け、そうすれば実現できると思いました。作りたい、作ると言い続けてやっと今日に至ります。個人の発想から始まり、ここまで辿り着きました。感無量です。

MC:なぜ半次郎の映画を撮ろうと思われたのですか?
榎木:「ぼっけもん」という言葉が出てきますが、「ぼっけもん」的な男性がだんだん減ってきている気がするんです。「ぼっけもん」(※薩摩の言葉で、豪快者:はちゃめちゃな男だけれども人間的な愛嬌がある、少年の気持ちを残した大人との意で榎木さんは使っています)という響きに憧れがあって、今の時代、世の中の活性化には「ぼっけもん」の発想が必要だと思いました。

MC:AKIRAさんは初めての時代劇ですが、出演のオファーがあった時はいかがでしたか?
AKIRA:最初に監督と榎木さんから熱いオファーをいただき、その熱さに心を打たれました。EXILEでも普段から信念を持って活動しているつもりですので、監督や榎木さんの熱い信念が伝わり、自分が役に立てるならやらせていただきたいと思いました。
MC:今回は殺陣のシーンがとても多いですが、お忙しいスケジュールの中どのように稽古をされましたか?
AKIRA:加治木島津家第13代当主の島津義秀さんに稽古をつけて頂いたり、榎木さんのお弟子さんにつきっきりで稽古をみて頂いたりしました。それから、家の庭で延々と横木打ちです。隣の家の人に怪しい人と思われたかもしれません(笑)。でも自分を追い込み、痛めつけないと、と思い、一生懸命稽古しました。
榎木:監督は、2時間稽古をして、肩が上がらなくなったんですよ。監督、僕は強制してませんからね。
AKIRA:僕が稽古をする時は、左膝を打つことが多いので…かなり膝の具合がイイ感じになりました(笑)今回の撮影は、スケジュールの無い中、シーンごとに本当に集中して行いました。だからこそああいう殺陣のシーンができたんだと思います。

(ここで、MC浅田遙さん自己紹介。本作に京都弁方言指導のスタッフ・キャストとしても参加)
榎木:実は浅田さんは、白石さんが演じた村田さとさんの末裔なんです。
白石:クランクイン前にさとさんのお墓参りをさせていただきましたが、遙さんも一緒に行ってくださって、クランクアップ後にも、さとさんにご報告がてら一緒に行って頂きました。村田家の皆さまはとても明るいんです。お酒も強くていらっしゃいます。(笑)この出会いに感謝をしつつ、さとさんに失礼のないよう、さとさんに近づけるように表現したつもりです。榎木さんのお人柄もあって多くの方がこの作品に参加されてきましたが、私も本当にこの作品に出て良かったなと感謝の気持ちでいっぱいです。

MC:地元九州では既に公開され、大きな盛り上がりを見せています。劇場のロビーでは、榎木さんの母校である鹿児島県立大口(おおくち)高校の生徒さんからいただいた感想を展示しています。榎木さん、ご覧になっていかがでしょうか?
榎木:たくさんの熱い感想をいただきました。今回、故郷である鹿児島県伊佐市からも大きなご協力をいただき、戦場シーンではロケ地まで貸していただきました。ボランティアの方もたくさんの方に参加していただき、大口高校の生徒さんも官軍の役で多くの方が出演しています。また、村田さんのきせる店の背景に、大きなパイプが映っているのですが、実際に村田きせる店にあったものをお借りしました。さとさんご本人もきっと眼にしたものだと思います。それも快く貸していただきました。他にも、薩摩焼の国宝級のものが出ていたりするんです。

MC:AKIRAさんは、EXILEのメンバーの方から感想などありましたか?
AKIRA:何人かは見ていて、感動していました。僕らEXILEも全力で活動しています。ですから、みんな映画から伝わってくる榎木さんからのメッセージに共感していました。リーダーのHIROさんは、いつもは忙しくて映画もDVDで観ることが多いけれど、「半次郎」に関しては劇場で観たいと言っていました。

MC:南九州での撮影はいかがでしたか?
白石:鹿児島・熊本・宮崎と3県にまたがって撮影しましたが、実際の西南戦争の戦跡でも撮影させていただいたり、またエキストラの方も、御先祖様が西南戦争で戦った方もいらっしゃったので、本当の意味で魂がこもった作品になったと思います。監督も、「お前ら本当にそれで戦えるのかー!」とたきつけ、はりきっていた(笑)一番張り切っていらっしゃいましたね。
監督:実在の人物を描くというのは、大変で辛いことです。鹿児島の南州墓地というところに、西南戦争で命を落とした方のお墓がありますが、夕暮れに一人でお参りをすると、13や14で亡くなっていった方の命日やお名前が墓石に書いてあるのですが、色々と考えていると、簡単には作ってはいけないと思いました。この映画に携わったスタッフ達は、裏方で影になりながらもしっかりと作品を支えています。影の部分を大事にしたいなと思いました。

MC:榎木さん、最後に一言お願いします。
榎木:かっこいい日本人を表現したかったんです。今は多くの人が自信を失っている時代だと思います。こんな素敵な人がいたんだよ、ということを知ってほしい。今年は時代劇がたくさん公開されますので、「半次郎」だけでなく他にもいろいろと見て、比較してほしいなと思います。今日「半次郎」は生まれました。ここに至るまで大変な思いもしましたが、一人歩きさせたいと思っています。今日はありがとうございました。