六本木アカデミーヒルズ40FにあるキャラントAにて第23回東京国際映画祭の記者会見が行われました。
まず、出席者である公益財団法人ユニジャパン 理事長の高井英幸、第23回東京国際映画祭 チェアマンの依田巽が登壇し、挨拶を行いました。

依田チェアマンコメント
「東京国際映画祭も今年で23回目を迎えました。就任も3年目になり、ホップステップ「ジャンプ」の年です。ジャンプの年として、作品選びにも力をいれました。
コンペティションも832本も応募があり、その中の選りすぐりの15本(1本は後日発表)を上映いたします。さらにアジアの風部門では生誕70周年のブルースリー特集、黒澤明監督の特集、台湾映画特集、トルコ映画特集があります。OP、CL作品も毎年大ヒットとなり、興行ビジネスにも結びついています。

また、審査委員や上映作品などが発表され、『わたしを離さないで』(マーク・ロマネク監督)、『一枚のハガキ』(新藤兼人監督) が新たに
コンペティションに出品されることが明らかになりました。出品作品を代表して『海炭市叙景』から、熊切監督と主演の谷村美月さん、南果歩さん、竹原ピストルさんが登壇し、TIFFに参加する意気込み、撮影秘話などを語りました。

熊切監督(質疑応答内容)
2年前の北海道の映画祭での出会いをきっかけに、今回の作品を作ることになりました。小さな映画祭での出会いが、大きな映画祭で上映して頂けるようになって本当にうれしく思っています。たくさんの函館の市民の皆さんの物心両面にわたるご協力をいただき素晴らしい作品となりました。
今までの作品では、一人か二人を描くことが多かったのですが今回は群像劇だったので、いつもの何倍も時間がかかり大変でした。最も力を入れたのは、各人物がそこにいたかのように、前後にも人生が見えるように描くことで、その点がうまく表現できたのではないかと思います。

谷村さん(質疑応答内容)
普段のお芝居の現場とは違い、ただそこに居ればいい、という監督の作る不思議な空気感がある居心地のいい現場でした。印象に残ったシーンは、お兄
ちゃんと元旦に朝日を見るシーンです。CGなどを使う時代ですが、美しい朝日を撮るために2日間もかけて撮影しました。リアルな映像で撮影しているシーンをぜひ!観ていただきたいです。

南さん(質疑応答内容)
今回は監督がすごく時間をかけて地元の方々をオーデションされ、私の息子役の青年をはじめ、たくさんの地元の方が参加してくださいました。
プロの俳優と、アマチュアの地元の方々が様々な役でうまくマーブル状に混ざりあっています。全て函館で撮影をするという意味は、その時、その場所の温度や空気感をフィルムに焼き付けるということです。そのような幸せな形で生まれた作品を東京国際映画祭を通じて世界に向けて発信できることを嬉しく思っております。

竹原さん(質疑応答内容)
監督とは公私ともに長くお付き合いがありますが、監督のふるさとで撮っているからか、いつも以上にニコニコ、ワクワク楽しそうにしていらっしゃいました。
今回は感じるままに演じることができました。

その他開催期間中、約200本の作品が上映されます。