そのはじまりは、「強制恋愛」だった…。過去2回上演され、大ヒットした舞台を人気劇作家・鴻上尚史が新たに書き下ろし、自身の手により初の映画化。人生停滞中の男女が巻き起こす、全く先の読めない痛快な恋の奇跡、映画『恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜』が9月25日(土)公開となりました。その公開を記念して『恋愛戯曲初日を記念して、キャストの深田恭子、椎名桔平、塚本高史、監督・脚本の鴻上尚史の4人が都内シネセゾン渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館にて舞台挨拶を行いました。

ヒューマントラストシネマ有楽町の舞台挨拶では、観客全員が赤いハート型の風船を膨らませた会場にキャスト3名と監督が登場すると大歓声があがりました。全員からのご来場いただいた方への挨拶が済むと、深田さんが監督からの「清水の舞台から“ちょっと”飛び降りた感じで」といった理解し難い演技指導に対し、「受け入れた様子をみせつつも雰囲気で演じた」という撮影現場の雰囲気が垣間見えるエピソードも飛び出し会場を湧かせました。
そして、本作の“強制恋愛”というテーマにちなんで、告白された経験という話題に及ぶと椎名さんは「告白される前に、逆に男の方から告白するという事ではないのでしょうか?」と劇中の役とは違った肉食的な一面を覗かせました。

—登壇者コメント—
MC:まずは、ご挨拶をお願い致します。
深田:この映画の中では強制恋愛という言葉がキーワードになっています。強制恋愛がどんな風にこの映画で展開されていくのか楽しんでください。
椎名:僕の役は深田恭子さんにとにかく尽くしまくるという役でした。楽しんでいただければと思います。
塚本:僕なりの感想はレトロな懐かしい雰囲気のするようなテイストで、お話自体は強制恋愛とか、男が尽くしたり、女性からアプローチしたりがテーマなのですが、映画を観ると80年代位にタイムスリップしたような感じをおぼえました。そんなところを楽しんでいただければと思います。
鴻上:何打かのエネルギーや元気を差し上げられたら嬉しいです。

MC:今回は、深田さんと椎名さんは初共演ですよね。塚本さんは共演されたことがあると聞いておりますが、鴻上監督とお仕事されるのは
皆さん初めてでらっしゃったとか。皆さんこの『恋愛戯曲』で共演されてみて、撮影中に「この人がこんな?」というような、意外に思った
エピソードなんかはありますでしょうか。
深田:鴻上さんの演出方法ですね。「今のお芝居にちょっと“エッチなふりかけ”をかけてください」とか「清水の舞台から“ちょっと”飛び降りた感じで」とか結構理解するのが難しいような感じで大変でした。
MC:どんな風に受け入れて演技したのですか?
深田:取り敢えず「はい、わかりました」と言って、こういう感じかなと雰囲気で・・・
椎名:深田さんとは初めての競演だったんですが、ドロンジョ様に仕える喜びというか・・・深田さんは色んな面を持っていらっしゃって、今回の作品の中でも3つの世界で3変化しておりますが、そういう深田さんの全くタイプの違う魅力を楽しんでいただければいいなと思いますね。
塚本:監督の演出は抽象的だけど、どこか分かり易いところがありました。深田さんが言われたように“ちょっと”が「自分の芝居はもうちょっとなんだな」と気持ちが良くて。「ここはお任せで適当にやってください」という事があったりとかして、信頼してくれたのかなと感じました。
鴻上:深田さんは、イメージで3つの世界を演じてくれたので、本読みの時点で安心しました。あるシーンの撮影では椎名さんが、真面目だなと感じました。塚本さんは、「差し入れでケーキを持ってきたシーンなので、お店の名前とか適当に言っておいて」と言ったら本当に適当に言ってくれて“なんて便利なんだろう”“シナリオ書く必要ないな”と思って楽でした。

MC:この映画は女性から男性に「私と恋に落ちて!」と逆に迫るまさかの“強制恋愛”ストーリーです。いくら女性が強くなったとはいえ、まだまだ世の
女性たちは男性から迫って欲しいと思っているのではないでしょうか。鴻上監督、椎名さん、塚原さんは、今まで女性から告白を受けたことは
ありますか?女性である深田さんは男性にご自分からアプローチされたことはありますか?
(椎名、塚本の「ない」という回答を受けて)
鴻上:この二人が「ない」と言って僕があると言うのはおかしいでしょう。イケメン村の人に告白するのはドキドキするので、基本的にブサイク村担当の私としては・・・僕はありますけどね。
椎名:だいたい告白される前に男の方からするとかそういう事ではないんでしょうか。
深田:自分から言うのは結構苦手ですね。待つタイプですね。海とかで「大好き」って叫ばれるとかベタベタなのに憧れますね。
鴻上:自分から言わないけど、あなたから言えっていう目ヂカラ出すでしょう?
深田:もし、好きならはい・・・

MC:“婚活”も少し前からブームですね。結婚していらっしゃる方もいらっしゃいますが、皆さんは結婚と恋愛は別という考え方はありだと思いますか?椎名: “結婚しても恋をしましょう”という気持ちを忘れちゃいけませんというのはありますが、なかなか現実はそういうわけにはいきませんね。
塚本:結婚している自分の立場から言わせてもらうと、奥さんに好きという気持ちだけでイイ。恋愛しなくてイイ。僕は結婚しているから他の女性とか要らないしって言えばいいのかな?(笑)
鴻上:「僕は結婚しているから他の女性とか要らないし」(笑)旦那がいても片思いは素敵な事だと思うんですよ。ブラウン管の人でも、カフェの店員さんでもいいから、ときめく事は素敵な事だと思うんです。

MC:最後におひとりずつ、この映画のみどころなど、お言葉を頂戴できますか。。
深田:この映画をみていただいて「恋をしたいな」と思っていただいたり、「お仕事を頑張っている人に悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と思っていただいたり、みなさんの明日への活力になってもらえたらいいなと思います。
椎名:登場人物が皆、仕事に恋にいろいろ悩みを抱えて崖っぷちの環境から始まります。生きていれば満足ばかりではないので、そこから明日への希望というか明日も元気に頑張ろうという映画です。みなさんも明日ちょっと元気になっていただければと思います。
塚本:テーマに強制ということがありますが、こんな強い女性でもいいんだと共感してくれる方がいてくれるのがいいんですが、男性も草食、肉食と言われていますが、この映画に出てくるキャラクターそれぞれに言える事ですが、自分というものを持っていれば、人に流されることなく、幸せが手に入るんじゃないかなと思います。
鴻上:恋愛と仕事とか人生のエネルギーを差し上げられたら、少しでもなんとなく元気になれたら良かったなと思います。