映画『アブラクサスの祭』福島こどものみらい映画祭舞台挨拶
9月25日(土)に映画『アブラクサスの祭』が全国に先がけて、福島こどものみらい映画祭にて初上映され、主演のスネオヘアー、ともさかりえ、小林薫、加藤直輝監督、原作者の玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)が福島県国見町観月台文化センターで舞台挨拶を行いました。
本作品は、福島県三春町在住の現役僧侶で、芥川賞作家・玄侑宗久氏初の映像化作品。昨年11月からの約1ヶ月間、オール福島ロケで撮影され、福島全地域でオーディションを実施、多くの福島キャストが出演しています。
今年の福島こどものみらい映画祭のテーマが「生きる力」であり、映画『アブラクサスの祭』の作品内容と重なるということから、映画祭のシンボル作品として上映されました。大勢の地元の人々が会場に来場し満席となり、大盛況の舞台挨拶となりました。
<コメント>
スネオヘアー
「お坊さんという役作りで、思い切って頭を剃髪しました。やっぱりミュージシャンなので髪の毛ってとても大事なんですよね。だから非常に残念な姿になりましたね(笑)
お寺で剃髪式をやりましたが、意味があるんですよね、坊主にするということには。教えて頂いたのですが、俗念を断つというか、恰好のいい風に自分を見せるという気持ちを一切断つ。毎日毎日かみそりをいれていかなかればならないので、手がかかるということも。
監督が音楽にこだわってくれて、最初で最後の主役をやらせていただきました。なんとか演じきりました。」
ともさかりえ
「父親が郡山出身でしたので、福島には学生時代はよく来ていました。地元の皆さんには撮影中は炊き出しですとか、温かい応援をしていただいて感謝してます。
気に入っているシーンは、スネオさんとの夫婦でのちょっとしたやりとりのシーンと、ラストのライブシーンは個人的にも思い入れもあるのでぜひ見て頂きたいです。」
小林薫
「福島弁の方言が難しかったですよ。「どうしてこんな難しいことをやらせるんだ」と思ったくらいです。地元の人みたいだと、褒め言葉を頂きましたが、決してそんな風には聞こえないと思いますが、自分が方言を話しているシーンは耳をふさぎたいと(笑)
今回の撮影は本当に、里みたいな、日本の原風景のような撮影場所で、町の人たちの炊き出しなど、ご協力いただいた思い出があったり、また、あまりにも今の自分の生活とかけ離れているところで、とても新鮮でした。」
原作者:玄侑宗久
「主人公がお坊さんなのですが、お坊さんというのはこうあらねばならないというプレッシャーといいますか、そういうのがはっきりとあり、今の時代、誰でもそういった期待に苦しんでいるのではないか、と思いました。子供はいい子でなくちゃいけない、と追い詰められているような気がするんです。いたずらやおいたもしますよっていう部分も出せないと、ちゃんとした心の平和というのは訪れないんじゃないかと。主人公である浄念も自分の中の全部を出し切ってライブをするラストがありますが、自分にとってどこかそういう全てを出せる場所がないとつらいと思い、全てを出せる場所として描かれています。」
加藤直輝監督
「お坊さんがロックをするというところに惹かれてこの作品を映画化したいと思いました。また音楽が重要な要素になっている作品になっています。またライブシーンをしっかりと描きたかったので、主演の浄念役にはミュージシャンのスネオヘアーさんにお願いして、ラストのライブシーンは素晴らしいシーンになりました。」
『アブラクサスの祭』の公開は10月9日(土)より福島県先行公開、12月25日よりテアトル新宿ほか全国順次公開となります。