ソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』(原題)のグランプリ受賞となった第67回ヴェネチア映画祭は、11日ヘレン・ミレン主演によるシェイクスピア大作『テンペスト』(原題)をクロージング作品として上映後、大盛況のうちに幕を閉じました。
以下、『テンペスト』の記者会見より抜粋コメントとなります。

<会見コメント>

■監督:ジュリー・テイモア
オフ・ブロードウェイで演出して以来「テンペスト」に惚れ込んでしまった。シェイクスピアの戯曲はどれもとても豊かで、時代に限らず、監督・演者それぞれ個人的に解釈することができる。プロスペローを女性として描いたものは今まで作られていなかったように思ったし、新しい「テンペスト」が出現する余地があると思った。またシェイクスピアの中でも最も視覚的なところも魅力的な作品です。

■ヘレン・ミレン
シェイクスピアがきっかけで女優を目指すようになったくらい大好きなの。そのときはキャリバン(奴隷)の役だったけど(笑)。以前からプロスペローは女性が演じてもいいんじゃないかと思っていて、ジュリーと同じことを考えていました。今回は台詞がすべて頭に入った完璧な状態で臨まなければと思っていたので2ヶ月間台本を片手に丸々頭に入れました。そんなの人生初めてで、自分にそんなことができるとは夢にも思わなかったわ!

(作品概要)
ナポリ王アロンゾー、ミラノ大公アントーニオらを乗せた船が大嵐に遭い難破、一行は絶海の孤島に漂着する。その島には12年前に弟アントーニオによって大公の地位を追われ追放されたプロスペラーと娘ミランダが魔法と学問を研究して暮らしていた。船を襲った嵐は、12年前の復讐をするために、プロスペラーが手下の妖精エアリエルに命じて用いた魔法の力によるものだった。シェイクスピア最後の作品であり最も想像力に満ちた「テンペスト」が執筆400周年を迎える2011年、主人公を女性に変えてに新たに蘇る!