映画『恐怖』初日舞台挨拶。片平なぎさ「スチュワーデス物語」の新藤真理子のイメージで監督からオファー
リング』『呪怨』などで世界を震撼させてきた一瀬隆重プロデューサーと数々のJホラー作品の脚本を手がけてきた高橋洋監督が、Jホラーシアター最終章とし完成させた話題作『恐怖』。
本日、無事に初日を迎え、テアトル新宿にて主演の藤井美菜をはじめ、脳科学者役を演じた片平なぎさもかけつけ、高橋洋監督と共に舞台挨拶を行いました。
藤井美菜:
ちょうど撮影したのが1年前で、今こうして皆様のもとに作品を届けられるのを感慨深く思います。
普通の映画だと、演じるキャラクターには陰と陽の両方の部分がありますが、今回はホラー映画ということで、陰の部分しかなくて・・・・。「ギョッとする」「ハッとする」「ゾッとする」という幅の狭い3つの感情のなかで演じ分けないといけなかったのですが、感情を折れ線グラフにすることによって演技にメリハリをつけるようにしました。私の役が一番この作品の中で唯一人間らしい役だと思います(笑)。撮影現場での恐怖体験はお祓いをきちんとしたせいか、特に心霊現象はなかったのですが、廃墟で撮影をしていたので床が抜けてしまい、リアルに恐怖を感じました。今回の映画は、人間の脳というまだ現代でも解明されていない未知の分野を扱った新しいホラー作品だと思うので、もしかしたらこの先、ノンフィクションとなるのではないかなと思います。ストーリーの中にいくつも伏線が隠されていて奥が深い作品なので、ぜひ何度でも観ていただきたいなと思います。
片平なぎさ:
今回は繰り返し、台本を読んで自分の役どころを探りました。ただ読めば読むほど解釈が難しく、答えが出ないまま、とにかく高橋監督を信じてついていきました。高橋監督からは当初「スチュワーデス物語」の新藤真理子のイメージでお願いしますといわれたので、もう一度家で「スチュワーデス物語」を観て演技に臨みましたが、監督から「もっと人間としての感情や母性を捨ててください」という指導を受けたので、(「スチュワーデス物語」を)あまり観た意味はありませんでした(笑)。完成した作品を観たときに、答えは一つでなくていいし、観た人がいろんな解釈があっていいんだな、またどういう解釈をしたか語り合うことがあっていいんだなと思いました。是非、皆さんも色々な解釈をされるかと思うので、(私も皆さんがどんな解釈をされるのか知りたいので)感想をホリプロまで送ってください(笑)。難解で陰湿な恐怖をぜひ味わってほしいです。
高橋洋監督:
一瀬プロデューサーと一本映画を撮ろうと話しをしていて、悩んでいたら一番最後になってしまいました(笑)。
Jホラーシアターの監督はみんな、今までの「リング」や「呪怨」などの幽霊が怖いという映画じゃないホラー映画の可能性を探ろうとして映画を製作していたと思うんです。それで今回も、今までのホラー(いわゆる貞子みたいな幽霊が出てきて怖い)とは違うことをやろうとしたので大変苦労をしました。その結果、脳味噌という人間の根源的な部分に触れてみたら一体何が見えるんだろうか?ということを描いた「恐怖」が出来上がりました。この作品がいわゆる貞子みたいな幽霊が出てくる代表的なJホラーではない、もっと広い意味でのホラーが作られるきっかけとなってくれればいいなと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。