7月5日(月)、東京會舘で、藤沢周平原作の本格時代劇『必死剣 鳥刺し』の完成記者会見が行われた。
主題歌を担当した人気歌手alanの生ライブに続き、豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、戸田菜穂、村上淳、関めぐみ、岸部一徳、平山秀幸監督が浴衣姿で登壇。七夕を感じさせる笹で飾られたセットが会見に色を添えた。
「武士の日常を描く」という平山監督の言葉通り、本作には、“静”の側面である丁寧で精密な所作と、邦画史上稀に見る壮絶な殺陣によって象徴された“動”の側面が混在しており、撮影を振り返った出演陣からも、それらに関するエピソードが多く語られた。そんな中、一際本作への熱い思いを語ったのは、主人公の藩士・兼見三左エ門を演じた豊川だ。

サッカーワールドカップ南アフリカ大会での日本代表の活躍にも言及し、「一言で言えば、サムライブルー。サムライという言葉がもう一度認識される社会状況の中で、日本人って良いじゃないかという部分を、この映画を通して皆さんに感じてもらえたら嬉しい」と熱弁し、「ここ何年の日本映画で観たことない、映画らしい映画」と本作を評価した。また、本作の感想を求められた、三左エ門を慕う里尾役の池脇は、「2時間の映画としてちゃんと起承転結があって良かった」と満足そうに語り、三左エ門と刀の応酬を繰り広げる帯屋隼人正を演じた吉川は、「重心が低い方が良かった。やんちゃが出ちゃった」と反省点を挙げながらも、斬り合いでの迫力ある演技は、豊川に「マジ怖そうなんで」と言わしめ、会場を大いに湧かせた。

『必死剣 鳥刺し』は、7月10日(土)全国公開。

(Report:渡部公揮)