7月3日土曜日、角川シネマ新宿にて『ロストクライム−閃光−』の初日舞台挨拶が行われ、伊藤俊也監督、キャストの渡辺大、奥田瑛二、川村ゆきえ、武田真治、かたせ梨乃、宅麻伸、及び本作主題歌を歌ったDEEPが舞台挨拶に登壇した。

巨匠伊藤俊也監督がメガホンを取った今作品は、ジャーナリスト出身の長瀬隼介が『三億円事件』という昭和最大のミステリーとして事件史に残る事件を題材とした原作を元に、日本映画最高峰スタッフと豪華キャストを得て描かれたサスペンス超大作である。
登壇した俳優陣達から撮影中のエピソードが語られた。
今作品で奥田瑛二と共にW主演を務めた若手実力派俳優の渡辺大は、「ベテラン陣の中で緊張したが、それ故に腹を決めて挑んだ撮影だった」と話し、「こうやって皆さんに来て頂けるのが嬉しい」と嬉しそうに会場を見つめた。一方、渡辺の恋人役を務めた川村ゆきえは、「感情が動くシーンが多く、練習中もあざがたくさんできて大変だった」と苦労話をした。苦労話といえば、ラストシーンということで話が盛り上がった。

「さすがにラストシーン(川に飛び込むシーン)を12月の真冬に撮影することはないだろうと思ってた」と武田真治。また、「足から入ると骨折するくらい水位が低くなっていますよと言われたが、カチンコが鳴ると犬のようにその気で行ってしまうのが俳優なもので…。そのラストシーンがクランクアップの日だったので死ぬ気で入った」と言う奥田瑛二をはじめ、俳優陣の本作に賭ける意気込みは尋常ではなかったようだ。続いて、そのような苦労話に織り込んで、宅麻伸とのエピソードについて面白おかしく話し続ける武田真治に、宅麻伸は、絶妙な間で、時折突っ込んでおり、舞台挨拶中もその仲の良さは健在だった。周りのキャスト達からも笑いがこぼれていた。
ピンクのドレスに身を包み、優雅な出で立ちで終始話す、かたせ梨乃の「ピアノのシーンをワンカットで撮りたいと監督に言われたので、本番は緊張して弾けないんじゃないかと思うくらい手が震えました」という言葉に、伊藤俊也監督は「本当に熱心で上達が早いと皆褒めていた」と絶賛したのも印象的だった。
途中、黄色い歓声が上がる中、DEEPはアカペラで主題歌を歌い出し、監督は「来た値打ちがありました」とにこやかに話すと思うと、最後には、「撮影中、渡辺謙の息子というのではなく、それ以上のスターに育って欲しく、時々、奥田さんと目配せをしながら、その渡辺大の第一歩を育てようという思いでした」と監督は真剣な表情で語り、本日の舞台挨拶は幕を閉めた。

『ロストクライム−閃光−』は、角川シネマ新宿や有楽町スバル座ほか全国順次公開中。

(Report:近藤はるか)