映画祭2日目の13日(木)。“コンペティション”部門では、中国出身のベテラン、ワン・シャオシュアイ監督の『重慶ブルース』とマチュー・アマルリック監督の『オン・ツアー』が、特別上映部門ではイタリアのドキュメンタリー映画が正式上映され、“ある視点”部門ではオープニング・セレモニーが行われた。併行部門(主催団体が異なる)である“監督週間”と“批評家週間”も開幕!

◆ハリウッド映画にも進出するフランスの実力派俳優マチュー・アマルリックが長編監督4作目『オン・ツアー』でカンヌのコンペに初参戦!

 アルノー・デプレシャン作品の常連であり、カンヌ映画祭でも毎年、出演作が上映されているフランスの人気俳優マチュー・アマルリック。『ミュンヘン』『007/慰めの報酬』等、ハリウッドの大作映画にも出演し国際的に知られる演技派俳優だが、元々は監督志望で、ルイ・マル監督作品の助監督を務めた経験もある。長編映画監督処女作は1997年の『Mange ta soupe』で、すでに3本の監督作を撮っている。今回、第4作目にして主演も兼ねた『オン・ツアー』を携えた彼は、満を持してカンヌ映画祭に乗り込んできた。
 成熟した大人のエンターテインメントとして人気を集める“バーレスクダンス”の世界を題材にした『オン・ツアー』は、本物の現役ストリッパーたちを起用。自身が演じるフランス人プロモーター、ジョアキム率いるアメリカ人バーレスクダンサーたちのフランス巡業の旅を追ったロード・ムービーだ。
 12:30〜に催された公式記者会見には、マチュー・アマルリックと映画に出演した5人の現役バーレスクダンサーが艶やかに登壇。アマルリックは作品を製作するにいたった経緯、当初は3時間を超えた作品を編集で1時間以上削らねばならなかった苦労を語り、出演したダンサーたちは、バーレスクダンスの魅力と自分が売りにしている芸の特徴をそれぞれ熱弁。会見後には、監督&出演者揃って、記念撮影およびサインに気軽に応じていたのが印象的だった。
 19:30からの夜の正式上映(ソワレ)では、監督とダンサーたち、そしてアマルリックの息子役の子役2人らが揃ってレッドカーペットに登場。キワドいドレスを身に纏ったダンサーにカメラマンのフラッシュが集中していた。
(記事構成:Y. KIKKA)