5月22日(土)、渋谷シアターNにて立ち見が出る大盛況の中『逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘』の初日舞台挨拶が行われた。
大きな拍手の中登壇したのは、主演の亜紗美、三輪ひとみ、掟ポルシェ、奥田真一監督の4人。

伝説のヤクザハンター・アサミのトレードマークである黒いマントに黒ブラトップ姿の亜紗美は、場内の熱気に「凄い!」と感激の第一声。「1年前に撮影した映画ですが、ついに公開になりました。本当にありがとうございます。よかったー!涙が出そうです」。アクション女優としてステップアップを続け、今回奥田監督こだわりの本格的な長廻しアクションに挑戦。見事期待に応えた亜紗美は、「奥田組のアクションはいい意味で泥臭い。地味に見えるけど、実は大変な撮影でした」と語った。

アサミと死闘を繰り広げる殺し屋役の三輪ひとみは、映画の衣装でもあるセクシーな赤いボンデージ調のトップス姿。「アサミ役の…あ!違う。アキラ役の三輪です!」と劇中のアイスドールのようなイメージとは一転。意外なドジぶりを見せて会場を沸かせた。『極悪系キャラ』を演じたという三輪は「現場では散々監督にいじめられ、亜紗美には殴られ、アクションチームにはなぶられ。楽しい現場で楽しくやらせていただきました」と、爽やかに微笑んだ。アクションに関しては「毎日筋肉痛で。大変でしたね」と三輪が言えば、「頑張りましたよねー!」と亜紗美。お互いの苦労を労った。

アサミを憎悪しとことん追い詰めるヤクザの組長役を怪演した掟ポルシェは、役柄そのままの白スーツ姿。「家からこの姿でやって来ました」と言うと「掟さん、いつもこの格好だよね」と亜紗美が突っ込む。「私服です!」とすかさず返すコンビネーションの良さを見せた。
「今回に限らず、映画の仕事をいただくと、必ずヤクザの役。そのうちの8割9割の確立で体の一部が欠損するんですよ。左腕がもがれたり。何か良くない前世のインネンでもあるのかと。今回も多分そんなことになってるんじゃないですかね」と観客の期待を煽った。

マカロニウエスタンの興奮を見事に再現した奥田監督は、満員の観客を前に「感無量です。二年半前に小さい企画として発足して、どんどん大きな作品に成長していきました。楽しんでいただければ幸いです」と感激の面持ちで語った。司会者にマカロニウエスタンについての思い入れを聞かれると「マカロニウエスタンは、西部劇なのにカンフーがあったり、ゴッタ煮感と面白ければ何でもありなのが魅力。この映画もそんな風に撮っていて、クールなシーンが続いたかと思うといきなりぶっ飛んだシーンがある。おもちゃ箱をひっくり返したような映画です」

最後に、4人を代表した亜紗美が「何も言わずに観ろ!お前ら!」と男気溢れるアピールからトーンを一転。「…と私は言いたいですよ。最後までトイレ以外は立たないでねー。最後まで楽しんで行ってください」気配り屋の一面を覗かせると観客からは大きな拍手が起こった。

マスコミ向けの撮影では、にこやかな奥田監督、カッコ良くポーズを決める亜紗美と三輪の横で、白目を剥いた渾身のキメ顔を見せる掟に、場内が終始笑いに包まれた。
舞台挨拶後、観客と作品を観るために劇場内に再登場した亜紗美と奥田監督と掟。掟が着席する前に観客に向かって両手を高々と上げ圧倒的な存在感を示すと、場内から拍手が巻き起こるというドラマティックな場面も見られた。

『逆襲!スケ番☆ハンターズ/地獄の決闘』は、マカロニウエスタンやカンフー活劇へのオマージュが詰まった作品。愛する人をヤクザに奪われたアサミが壮絶な復讐を繰り広げる。炸裂するガンアクション、奇天烈な特訓シーン、西村喜廣率いる西村映造による過激な残酷描写、ペーソス溢れる佐藤佐吉、吉行由実と亜紗美の日常シーンなど全編が見所。ラストは亜紗美の演技力を証明する爆泣き必至の名シーンが待っている!

5月29日(土)からは、いよいよ中平一史監督の『爆発!スケ番☆ハンターズ/総括殴り込み作戦』が登場する。愛する人を失い復讐に命を掛けるヒロイン・アサミというコンセプトはそのままに、レギュラーキャストの掟ポルシェ、佐藤佐吉に加え、小嶺麗奈、佐藤二朗、松村雄基、柊瑠美を投入。70年代ピンキーバイオレンスの猥雑なエネルギーとアクションを、アートディレクターでもある中平流の美意識でどう料理しているか必見!

(Report:デューイ松田)