5月18日(火)アスミックエース試写室にて、デジタルハリウッド大学の生徒達限定の、映画『シーサイドモーテル』試写会と守屋監督が映画『シーサイドモーテル』製作の秘密や、監督業の裏話をお話ししてくれた。

普段CMやPVの製作に携わっているだけあって、少し緊張気味な監督。映画は2005年に公開された森山未来主演の『スクールデイズ』以来5年ぶりに撮る作品なのである。
司会者から聞かれると、本作を撮る《いきさつ》について聞かれると、「群像劇がもともと好きで、いつかやりたいなとアイディアを書きためていました。その中で偶然原作を、コンビニで立ち読みし、” これは自分がやりたい世界観だ ”と感じました。そこから出版社に映画化したいと申し出たら、OKをいただきました。これが2008年の話です。でもその間には、普通に連ドラも撮っていました。合間合間を見つけて、書いていました。」と語ってくれた。

そして洋画より邦画が好調な時期ではあるのだが、やはり他にも仕事はあるのに、自分で映画を企画した事について聞かれると・・・「まず映画が成立するには2種類あって、有名監督だったら売り込まれると思うのですが、残念ながら(私は)そんな立場ではないのでね。自分で撮りたいのがあった時に、むしろ一緒に仕事をしている知り合いの企業(映像権の企業)にうちの会社のプロデューサーと行って、更に広告代理店・ビデオ会社に行ったりしてお金を集めました。」と意外な裏話を語ってくれた。
そして作品を撮る上での原動力について聞かれると、「”ひらめき”と言いますか・・・原作に出会った時に本の帯に、麻生久美子さんが演じるキャンディの言葉で、『シーサイドモーテルって名前つけときながら、周りは山ばっかりで海なんて何処にもないじゃん!!』という台詞がありまして、その言葉がシャレが聞いて、アメリカ的なユーモアに惹かれました。いざ読んでみると、思い描いていた群像劇に近く、名前と中身がともわない人達・大切な物が欠落した人達の物語を描きたいなとも考えていたので、自分がずっとやりたくて考えていた事を、原作の中に滑り込ませるといいますか、そういう事ができる作品だと感じましたので、いろいろな人に声をかけて、” 映画作らせて下さい。”と持ちかけました。」明かしてくれた。

次に” キャスティング ”について聞くと、まず生田斗真さんについては、「バラエティで一緒に仕事があって、面識はあったのですが、やはり舞台などいろいろ経験して、すごく魅力のある俳優さんと感じていました。劇中の中に、心の声をしゃべる部分があるのですが、それを相手がいなく成立して行くのは、さむくなったり、演技で表現がしきれなくなってしまうと思うんですね。でも斗真君はそういう所がうまいと感じていたんで、” 彼しかいない!”と真っ先に思いました。」と教えてくれた。麻生さんについては、「個人的にファンで仕事をしたかったんですよ。」と告白。更に「脚本の中で動きが一番少ないのが、麻生さんと、生田さんがいる部屋の103号室なんですね。2人しかない中での会話劇を繰り広げるのに、麻生さんだったら非常にユーモラスな部分とか、ある種さむい部分もチャーミングに演じてくれると思ったんです。」と話してくれた。

映画ができる過程を細かく教え、何より学生に質問され、「面白かった!」と言われると、嬉しそうな笑顔を見せながら答える監督。更にトークショーが終わってもサインに気軽に応じてくれ、学生にとって思い出深いイベントとなったのではないでしょうか。

映画『シーサイドモーテル』は6月5日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー