現在、全国にて大ヒット中の映画『ソラニン』。本作は、主演に宮崎あおいを迎え、若者に絶大な人気を誇る浅野いにお原作漫画待望の初映画化した作品で夢と現実に葛藤しながら、明日へ踏み出そうと生きる若者たちをリアルに描いた感動の青春恋愛映画です。

そして、この度、初監督ながら、大ヒット記録中の本作品を生み出した三木孝浩監督が、明日のトップクリエイターの卵たちが通う「デジタルハリウッド大学」にて、本作のプロデューサーである今村景子とともに公開講座を開催しました。

公開講座では、映画『ソラニン』ができるまでの製作秘話と、監督がこれまで手掛けてきた数々のミュージックビデオ撮影の舞台裏を語りました。
また、『ソラニン』の主人公たちと同様に、明日を夢見る学生の皆さんからの質問に答えました。

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【イベント概要】

映画『ソラニン』の三木孝浩監督 公開講義 In デジタルハリウッド大学

★日時/4月22日(木) 朝9:00〜10:30
★場所/デジタルハリウッド大学・秋葉原メインキャンパス
(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル7階)
★登壇/三木孝浩監督、今村景子プロデューサー

<三木監督 略歴>
1974年、徳島県生まれ。98年にソニー・ミュージック入社以降、
数多くのPV・ライブ映像を手掛ける。06年に独立し、PV以外にも、
WOWOWショートドラマ「藤子・F・不二雄のパラレル・スペース」、
CMなども手掛けている。

MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2005/最優秀ビデオ賞や、
カンヌ国際広告祭2009/メディア部門金賞を受賞するなど、実力も認められ、
今後の活躍が注目されるディレクターの1人。

主なPV作品に、ORANGE RANGE「花」、FUNKY MONKEY BABYS「明日へ」など
これまでに約170作品がある。

【公開講座より】

Q:「ソラニン」の大ヒットを受けての感想をお願いします。

■三木孝浩監督:
もともと人気がある原作ですし、同じく人気のある宮崎あおいさんが主演で、
宣伝も頑張ってくれたのでヒットの予感はあったのですが、想像以上の
反響でした。また、今話題のTwitterで生の反応を見られたのが
凄く面白かったですね。

■今村景子プロデューサー:
浅野さんの原作が出たのが2006年ですが、原作を読んで号泣したので、
「この感動を皆さんに届けたい」と思い、企画を立ち上げました。
4年間という時間をかけて映画を作ってきたので、大ヒットしたのは
嬉しくて仕方がないですし、感慨深いです。

現在は主人公たちと同年代の方から20代前半の方々を中心に、
男女比半々くらいで沢山のお客さんが観に来て下さっているようです。

Q:宮崎あおいさんをキャスティングした理由を教えて下さい。

■三木監督:
原作の設定が大学を卒業してOL2年目で、年にすると23、24歳なので、
年が近い女優さんに演じてもらいたいと考えていました。
また、宮崎さんは、あの年代の女優さんでは、ダントツで演技力がある
女優さんだと思っていましたし、「篤姫」など、これまで凛とした
芯の強い女性を演じることが多かった宮崎さんが、演じる普通の女の子を
見てみたいなと思ったんですよね。それと、宮崎さんの歌を
聴いてみたいと思ったのでキャスティングしました。

■今村プロデューサー:
キャスティングに際しては、原作の世界観を表現できる人を
考えたのですが、実は多くの人が宮崎さんの名前をあげました。
宮崎さんは役を生きる女優さんなので、宮崎さんに芽衣子になって欲しいと
思いました。

Q:では種田役の高良健吾さんについてはいかがでしょうか?

■三木監督:
高良君が出演した「蛇にピアス」などを観て、硬派なイメージが
あったのですが、実際にお会いするととてもナイーブなんです。
それに、声がいいし、声のトーンもよくて、この声なら種田でいけるなと
思いました。

また、相手役が宮崎さんということもあって、フレッシュな感じの2人に
見せたくて、「新鮮な人がいいな」と思ったので高良君にオファーしました。

■今村プロデューサー:
5〜6年前、高良さんが高校を卒業して東京に上京したての頃に
お会いしたことがあるのですが、繊細でナイーブだった印象があり、
種田のイメージにぴったり合っているのでないかと思いました。
また、今後、役者として伸びるだろうという点も考えました。

最後に学生の皆さんからの質問に三木監督が答えました。

Q:三木監督が映画監督を目指すきっかけになった作品があれば教えて下さい。

■三木監督:
大林宣彦監督の「時をかける少女」ですね。当時、小学校2年生だったのですが
テレビから流れてきたワンシーンがイマジネーションに溢れていて、
体に電気が流れるくらいの衝撃でした。

Q:映画監督を目指していたとのことですが、学生の頃、頑張ったことが
あれば教えて下さい。

■三木監督:
今の学生さんは機材なども充実していて、それこそパソコンで
編集などもできるので逆に羨ましいですけどね。
僕が学生の時代は、ちょうど8ミリからビデオへと移り変わる時代で、
フィルムを切ったり貼ったりで、撮り間違えると大変なことになりました。

でも、当時は、自分が好きな監督や好きな作品の真似をして撮るだけでも
いいと思っていました。何かを生み出すことに感動できたら、撮り
続けていくモチベーションになると思うので、まずは、作る楽しさを
覚えて欲しいですね。

Q:映画を作っていて1番大変なことは何でしたか?

■三木監督:
監督にもよると思うのですが、僕自身は、現場が楽しくあることが
一番大事だと思います。作品に対してのテンションが一人でも下がると、
作品自体のテンションも下がると思うので、1つの作品を作るにあたって、
現場のモチベーションが高まるように、気をつけて取り組んでいます。

■今村プロデューサー:
コミュニケーションが1番大切だと思うので、ディスコミュニケーションが
発生してしまった時が1番大変です。50人〜100人のスタッフが、同じ方向に
向かってコミュニケーションしていくことが、1番大切だと思っています。

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