4月7日(水)16:00より憲政記念館において、国会議員、司法関係者などをお招きした「日本の司法を考える会」主催の『BOX 袴田事件 命とは』の試写会が行われました。この試写会は、裁判員制度が導入された今、「人が人を裁くこと」の意味を再考する一助になれば、という意図のもとに開催されました。
映画の上映に先立って、袴田巌さんの姉である袴田秀子さんと、免田事件(四大死刑冤罪事件のひとつ)の免田栄さんが壇上に立たれ、「人が人を裁くこと」の困難と、袴田巌さんの無実を訴えられました。袴田秀子さんは、上映後、「私はこの映画を2度見ましたが、2度とも感激して拝見しました。この映画の公開によって、再審への道が開けることを願っています」と話されました。
また、映画では萩原聖人さんが演じた一審静岡地裁で死刑判決に関わった元裁判官・熊本典道さんからは、「映画が完成し、ただただ感無量です。この映画を世に出してくださった方々に心より感謝申し上げます。そして、日本の司法があるべき姿で機能し、一日も早く、袴田君が自由の身になることを願ってやみません」というメッセージが届き、代読されました。

裁判員制度が始まり約1年。足利事件の無罪決定や名張毒ぶどう酒事件の再審開始が検討されるなど、さまざまな冤罪事件が見直されている今。『禅 ZEN』の高橋伴明監督が、現在進行中の事件を基に、人を裁くことの困難と命の尊さを描きだした渾身の一作『BOX 袴田事件 命とは』は、5月29日(土)より、渋谷・ユーロスペース、銀座シネパトス、ほかにて全国順次公開となる。