アメリカで女優活動を続ける裕木奈江、『硫黄島の手紙』出演の渡辺広が主演したデイヴ・ボイル監督作『ホワイト・オン・ライス』が3月10日から14日まで大阪市内で開催中の大阪アジアン映画祭で日本初上映された。
ゲストとして登場した渡辺広は白いカウボーイハットに白いジャケットといった個性的な姿で登場。「アメリカ生活が長いのでこんな格好をしていますが、下はふんどしです。東急百貨店で買いました。」と笑わせ、裕木奈江から「だから先に東京入りしたんですね。」とツッコまれる一幕も。
デイヴ・ボイル監督は、「大阪で大歓迎を受けて、うれしいです。日本で上映するのは初めてなので、みなさんの反応を見るのが楽しみです。」と流暢な日本語で挨拶した。
上映後の質疑応答では、「アメリカ人が見て笑うところと、日本人が見て笑うところが違い、一緒に見ていて面白かった。」とデイヴ・ボイル監督も日米の笑いの違いを実感した様子。
冒頭で登場するチャンバラ映画のシーンについては、「昔からチープなチャンバラ映画が好きで、主人公が映画のエキストラとの設定にした。映画の最初にすごく驚かせるようなシーンを入れたかったのです。」と解説し、日本映画ファンであることも明かした。
裕木は、撮影で楽しかったことはとの問いに「『硫黄島』やデビット・リンチ監督の作品を撮っているときは、出番が短くても全部英語でプレッシャーが大きかった。『ホワイト・オン・ライス』は、日本人スタッフが多く監督も敬語が使えるぐらい日本語が上手なので、現場がストレスフリーで楽しめた。」と語り、熱心なファンからの質問に笑顔で答えた。

デイヴ・ボイル監督は、デビュー作の『Big Dreams Little Tokyo
』で渡辺広と出会い、彼の個性に惚れ込み、渡辺が主役の台本を書いたという。タイトルの『ホワイト・オン・ライス』とは、米が白い色から離れられないように、主人公ハジメとハジメの家族は離れられないという意味があるそう。

何をやっても空回りしてしまうアラフォーバツイチのハジメとその家族をめぐる日系アメリカ人社会を描いた愛と笑いのアジアン・アメリカン映画、終始笑いに包まれる上映となった。
尚、黒澤明監督の傑作『七人の侍』に、もし八人目の侍がいたとしたらというユニークなアメリカ映画『八人目の侍』(提供:ラシャナル・エンターネインメント)が3月14日18時30分から大阪アジアン映画祭で特別上映される。入場は無料。『ホワイト・オン・ライス』主演の渡辺広も強面のプロデューサー役で出演、上映前に舞台挨拶で登場予定だ。