記念すべき20回目のオフシアターグランプリは誰の手に?2月28日に行なわれた映画祭クロージングセレモニーにて、2010年度オフシアターコンペティション部門の審査結果が発表された。
2008年井上都紀監督(『大地を叩く女』)、2009年入江悠監督(『SRサイタマノラッパー』)に続く、ゆうばりから生まれる新しい才能に選出されたのは誰?

閉会式 2月28日(日)19:25〜 @アディーレ会館ゆうばり 大ホール

【各賞受賞結果】 オフシアター・コンペティション部門
■グランプリ:『青春墓場〜明日と一緒に歩くのだ〜』奥田庸介(おくだようすけ)監督
■審査員特別賞:『脚の生えたおたまじゃくし』前野朋哉(まえのともや)監督
■北海道知事賞:『壁』ヒョン・スルウ監督
■シネガー・アワード:『脚の生えたおたまじゃくし』前野朋哉監督

★グランプリ 奥田庸介監督
「(受賞後号泣したまましばらく動けず、スタッフにうながされてようやく立ち上がり) 今日受賞できんかったら、死んでやろうと思いました。そんぐらいの覚悟で作品を持ってきたので、我慢できなかった。高橋伴明監督に握手を求められた瞬間に涙腺が壊れました。スタッフにめっちゃフォローしてもらっていて、裏切ることが出来なかった。(実家が豆腐屋で)おやじはよれよれで豆腐を作っている。一個40円の世界で頑張ってるおやじが応援してくれている。期待に応えずにはいられない。ゆうばり映画祭がなければ今のオレはありません。」

★審査員特別賞、シネガー・アワード ≪W受賞≫ 前野朋哉監督
「2つもの賞を頂いてびっくりしています。こうやって評価して頂けて嬉しく思います。今後もこれより良い作品を作って、精進していきたいです。」

★北海道知事賞 ヒョン・スルウ監督
「由緒あるゆうばり映画祭で、賞を頂けてありがとうございます。色々な映画を観られて良かった。まだ学生なので、これからも多くの映画を見て、良い作品を作っていきたいです。 」

【審査員からの総評】
・山下敦弘
「賞を取った人は喜びを分かち合い、取れなかった人は逆に次こそはと仲間との絆が深まる。経験上、発表後の飲み会が一番楽しいです。肩の荷がおりた状態で楽しみましょう!」
・マーク・ウォルコウ
「昨年初めて夕張に来て楽しく、今年もとても楽しかった。来年もまた必ず夕張に戻ることを約束します。」
・チョン・スワン
「この4日間で身体も心も温めてもらいました。韓国に戻ったらいい映画祭を作ります。」
・石橋凌
「初めての夕張で楽しんで作品を見させてもらった。賞を取れなかった人も、次を目指して頑張って欲しい。」
・ジョニー・トー
「今回の受賞は審査員5人異議なしで決まった。他の4人の審査員に対して感謝しています。彼らのお かげでスムーズに審査ができました。受賞の3方はとても優秀でした。今回の受賞を通じて、未来にはもっと大きな 成功を果たして欲しいです。受賞出来なかった人には、失望の気持ちがあるかもしれないが、良い経験になったと思う。映画に対する熱意があればいつかは受賞出来る。出来なかった人は、来年もゆうばりに来てください。ゆうばりは待っています。また来年。」

2008年から3年連続ノミネートされるも、無冠の悔しさをバネにチャレンジし続けた奥田庸介監督。彼らとその仲間たちがクロージングセレモニーで流した感動の涙は、はじめて彼らを見た観客たちにもその熱い思いが強く伝わったに違いない。
そして入江監督から渡されたグランプリ監督へのバトンを受け取った奥田監督は、ゆうばり×スカパー!の次回作制作支援によって2011年映画祭での招待を目指し新作制作をスタートさせる。どんな作品を来年見せてくれるのだろうか?一回り成長した彼らの姿を観れることに期待したい。今までも、そしてこれからもゆうばりから生まれる才能の熱気はまだまだ止まらないだろう。