映画祭期間中、いたるところで流れていた今年の映画祭テーマソングでもある“シュッシュッシュ!”ではじまるある楽曲。来場された方のほとんどが一度は耳にされたのではないだろうか。実はこの楽曲、昨年のオフシアター・コンペティションで『SRサイタマノラッパー』でグランプリを受賞した入江悠監督の最新作かつ続編でもある『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』の主題歌として制作された楽曲をそのまま映画祭がいただき、今年のゆうばり映画祭のテーマソングとして使用しているのだ。ゆうばりが生んだ才能・入江監督の最新作を今年の映画祭の目玉としてどれだけ映画祭側がプッシュしているのか、その力のいれようがここからも見て取れるだろう。

入江監督とゆうばり映画祭には以前から強いつながりがある。監督の学生時代の2003年から2度この映画祭のコンペにノミネートされ、審査員たちからのキツイ叱咤激励を受けつつ、それをバネに映画を作り続け、昨年長編映画『SRサイタマノラッパー』で3度目の正直とばかりに見事グランプリを受賞し、その副賞として映画祭とスカパー!が資金を提供し制作されたのが本作である。
ワールドプレミアとなったホテルシューパロでの上映には、入江監督はもちろん前作『SRサイタマノラッパー』で主演をつとめた埼玉のラップグループ“SHO-GUNG”を演じる駒木根隆介、水澤紳吾、奥野瑛太や、本作のメインキャストである女子ラップグループ“B-HACK(ビハク)”を演じた山田真歩、安藤サクラ、桜井ふみ、増田久美子、加藤真弓といったSR1、2のキャストが入り混り大挙として登壇した。
また舞台挨拶では、入江監督が第50回日本映画監督協会の新人監督賞を受賞したことも発表され、ダブルでお祝いムードとなった。一躍日本映画界が最も注目する若手監督の座に躍り出た入江監督のこの一年の活躍は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。そんななか、仲間たちとともにわずか1年で完成させた新作をもってのゆうばりの地への凱旋には監督の感慨もひとしおの様子。

入江悠監督
「ゲストの人数では『シュアリー・サムデイ』に負けていません! 上映中は中盤で拍手が起きたりしてて、ここはやっぱりすごく暖かいですね…。ゆうばりに帰ってきたなという感じで胸が熱くなっています。」
プログラミング・ディレクター塩田時敏
「監督協会監督賞受賞は素晴らしい。第一回の新人監督賞は大島渚だった。大島からついに入江まできたんだと思う。」

上映後のQ&Aには、なんと客席に昨年の審査委員長であり入江監督をグランプリに選んだ張本人ともいえる高橋伴明監督の姿を発見。うれしい反面緊張する入江監督を前に伴明監督から作品の感想がコメントされた。
高橋伴明監督:
「劇中3回泣いた。昨年入江君を選んで良かったなあと思いました。強力なライバルが増えるのは嬉しくないけど、こういうライバルがいるということが嬉しい。」
(高橋監督はフォーラム部門で自身の自主制作映画『MADE IN JAPAN〜コラッ!〜』を出品し来夕中でした。)

またラッパーとしては先輩にあたる?と自負する埼玉のラッパー“SHO-GUNG”と、女子ラッパー“B-HACK(ビハク)”の5人とで即興のラップ対決を披露。続いて映画の主題歌である「ワック♪ワック♪B-HACK」を女子ラッパーたちが熱唱すると場内のボルテージは最高潮に!一体となった場内の熱気は、終演後も冷めることなく、一躍スターとなったB-HACKやSHO-GUNGへのサインや写真攻めが30分以上続きまさにゆうばりの新たなスター誕生の瞬間が刻まれたひとときとなった。
『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』は新宿バルト9ほか初夏の公開が予定されているほか、前作『SRサイタマノラッパー』も5月28日にDVD発売が決定している。新たな仲間B-HACKを筆頭に今年もまだまだ入江監督&SR旋風は止まらない。これからも是非一緒にSRクルーの応援をみなさん宜しくお願いいたします!

◆ゆうばり映画祭中継『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』上映&ライブ!
http://www.ustream.tv/recorded/5018238

◆『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』公式サイト
http://www.sr-movie.com/