TV番組でお馴染みの八代弁護士が就活生にアドバイス!!

いよいよ11月21日(土)より公開になります映画 『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』。本作の公開に先駆け、11月18日(水)に就職活動真っ只中の学生たちを対象としたスペシャルセミナー付特別試写会を実施致しました。

本作と就職活動中の学生が情報交換をする日本最大級のクチコミ就職情報サイト 楽天「みんなの就職活動日記」との特別企画イベントで、スペシャルゲストに、タレント・コメンテーターなどとしても活躍されている国際弁護士の八代英輝さんと、”みんなの就職活動日記”から就職のエキスパートの矢下茂雄さんをお迎えし、これから社会へ飛び出す就職活動真っ只中の学生たちに、八代さんご自身の経験談とアドバイスをするという内容で実施されました。

TVに多く出演している為「最近弁護士の仕事をしているの?」と言われるとの自己紹介で場内を湧かせ、「裁判所はブラック会社」とのコメントも飛び出したが、流石は国際弁護士「今の努力は無駄になる事はありません」としっかり締めくくった。

■舞台挨拶レポート
・自己紹介八代弁護士の八代と申します。テレビでご覧になられている方もいらっしゃると思いますが、本業は弁護士でございます。弁護士としての仕事もちゃんとしております。よく皆さんとお会いすると最近「弁護士の仕事しているの」って言われますが、大丈夫でございます。実は今日ここへ来る直前まで事務所で採用面接をしておりまして、新しく就職活動している方とお話しました。これから厳しい質問も来るかと思いますが、どうぞお手柔らかにお願い致します。矢下みんなの就職活動日記の矢下と申します。就職活動生のコミュニティサイトで日本No1のサイトでございます。毎年、大学生の37万人の方にご登録いただいています。ブラック会社も含めて24000社位の掲示板がございます。

・映画の感想
八代佐藤監督の『キサラギ』を観ていたので、だいたいこんな映画になるんじゃないかなという予想を裏切られなかった。見事にデフォルメの効いた痛快な映画だなという印象でした。なかに描かれているブラックな会社というのは結局監督の言わんとしているところはブラックというのもホワイトというのも人であるというメッセージが伝わってくる。スピード感があってとても面白く拝見できた。矢下学生さんに伝えたい事が描かれていて観終わった後に結構いい映画だったなと思いました。

・今のお仕事を選ばれた経緯
八代たまたま試験に受かったから。私が就職活動をしていた頃は今と全く逆で受けてもいない会社から内定通知が届くようなバブルの兆しがある頃だった。駄目な奴が内定して入った会社は、今は無くなってしまっていますので、その時に良い思いをした人は後でわりを食っている。経験は無駄にはならないなと思いました。就職活動をして、最終的に司法試験を受けようと思ったんですけど、専門性のある仕事で何か人の役に立つ仕事はないかなと考えて選んだんですが、受かるまではどうなのかなと思っていて、受からなかったら、どうしようという事も考えていた。就職活動は大学の頃に少し、社会人になるか司法試験を受けるかという選択を迫られた時に司法試験を選択したんですが、実際の就職活動はニューヨークで法律事務所を受けた。あちらは大きい事務所が多いんですけども、なかなか日本人で雇ってくれるところはなくて、大学にある就職カウンセリングに行きまして、就職面接の受け方を受けて何とか採用をしていただいたんですけど、それから数年その事務所で働いて今度は採用担当をする事になりまして、今度は逆に採用する側として、学生さんをみるというポジションでしたので、受ける側と採用する側の両方を経験しました。アメリカの企業が採用するキーワードは二つありまして、一つはプロアクティブ、もう一つはチームワークですね。プロアクティブというのはニキビを治す薬の事ではありません。プロというのは前に、アクティブというのは動くという意味なんですが、問題を与えられる前に問題を見つけてそれを提案できる、能動的に動いて行ける。それをチームワークの中でやっていける人というのが一番。もの凄い優秀な人が来るが、それをチームの中で上手く機能していけるかというと別のものです。

・弁護士をやっていなかったら、やってみたい職業はありますか
八代漁師になりたかったですね。ヨットをやっていたので、海に関係する仕事をしたかったんです。司法試験を受けている時に、同期は就職してスーツ姿になって急速に大人になっていったので、疎外感を感じました。焦りもしました。遠回りして損することはないかなとも思いました。最初に務めた裁判所は優秀な人が多いのですが、優秀な人同士なかなか折り合いが悪いところがあって、上司同士の仲が非常に悪いとう環境の中で仕事をさせられて、全部2回別々に人を集めて会議をしなければならないという人間関係の苦労が多かったです。それに付き合うのにうんざりして、2人の上司に向かって、『こんなところ辞めてやる』と言いました。

・弁護士のお仕事に”交渉術”は求められると思うんですが、就職面接で活かせるテクニックはありますか
八代採用する側に回ると、いろんな本を読んだテクニックは役に立たないです。テクニックはこの人は就職面接の為にこれ位準備をしてきたんだという判断要素にはなりますが、最終的には、その人となりや生きてきたもの、最終的なビジョン、自分はこの会社で自分をどう活かして行きたいかをいかに話せるかだと思う。矢下エントリーシートを書けるのは当たり前になってきてしまっている。結局最初と最後のところで、この人は本当はどういう人なのかをアノ手コノ手でみてくるので、本当に最後は自分を見つめ直して、あとはプレゼンができないと駄目だと思います。

・”ブラック会社”の定義は人によって様々だと思いますが、就職した会社がブラック会社だったらどうすればよいでしょうか?
八代ブラックの内容が人間関係によるものだったら、半年とか一年とか自分で期限を切ってその期間はその人たちを出来るだけ好きになって上手くいくように頑張ってみる。その期限を過ぎて駄目だったら、辞めてしまいなさいと言いますが、私は辞める時に次のビジョンを持たずに辞めていく事は賛成できないですね。実は転職組みで、裁判官から日本の弁護士、そして、日本の法律事務所を辞めて自費でアメリカに留学してアメリカの法律事務所という感じで渡り歩いた経験を踏まえて言いますと、渡り歩いたものが自分の履歴書であって振り返った時に自分が動いてきた事を説明できないならしない方が良いと思います。一歩先へ行くとしても、必ず自分の中で理論を考えて後で振り返って自分はこういう道を歩んできたんだという事が次の会社へ行く時プレゼンできるように動かないと。
矢下映画ではブラックのオンパレードでこんな会社もあるんだろうなって見ていましたが、学生の時に思うブラックの感覚というのは、社長がワンマンであるとか先輩が何も教えてくれないとか、いろんな感じ方があると思いますが、ある程度期間を置いて我慢をして精一杯頑張ってみる。どんな会社でも何だかのブラックな部分はあると思うし、結局どこへ行っても駄目。ブラックな会社でも我慢してみると5年後10年後大きくなっているかもしれないし。今大きくなっている会社はそんなもの。多少我慢は必要なんです。

・「限界!」と思った事はありますか?
八代裁判官をしていた時に裁判官室に3人しかいないんですね。書記官とか一般職の事務官の人はノックをして中に入ってきて、用事が済んだら出て行く。一日中おじいちゃんとおじさんと僕の三人でその中にいるんですよ。つまらないんですよ話が。人との関わりが好きでなった仕事にしては世の中から完全に隔離されていて盛り場に行く事も禁じられていた。映画の中ですごくいいなと思ったのは、楽して宝になるような人間関係は築けない。ぶつかり合う事によってお互い信頼関係が出来る。

・就職活動生へ激励のメッセージを
八代何度かこういう場に立たせていただいているが、毎年切実感を感じます。皆さんと仕事の現場でお会いできるのを楽しみにしております。今の努力は無駄になる事はありません。矢下ピンチはチャンス。不況な時に次の時代を担う会社は必ず出てくる。どこでやるかではなく何をやるかなので頑張ってください。みん就でお会いしましょう。