フードクリエイティブ・チーム「eatrip」を主宰し、テレビ、ラジオ、雑誌などで幅広く活躍する人気フードディレクター野村友里が、初めて監督した映画「eatrip」の秋の上映会が10月10日(土)から恵比寿ガーデンシネマでスタート。初日のトークイベントに野村友里監督と共に現場に参加し、映画のスチールを担当した写真家の高木由利子さんが登壇し、“人“ と “食“ との関係をテーマに、形や言葉には表現しきれない空気感や流れる時間を映した映画「eatrip」についてメッセージを送りました。

野村友里監督の談話
「おいしいなと思う時って、その時に時間を共有したり、自分のために料理を作ってくれたことにありがとうという思いが、おいしいに繋がるんだなぁと。そういう見えないものを調味料としていただいているんですね。映画の中に写真がいっぱい出てくるものってあまり無いと思うのですが、由利子さんの写真にはものすごいインパクトがあって、衝撃を与えると思って今回の撮影をお願いしました。この映画に出てくる役者さんじゃない人の日々を写し撮るには、動いている映像だけでは表情が流れてしまうかもしれないので映像と写真の良さを組み合わせることでその人の魅力を収めたいと思いました。この映画を観た方には、それを一緒に観ていただきたいです。映画を観終わった後家に帰って、どこが印象に残るかなと考えた時に、この写真のことが心に残るのではないかなと思います。
この映画には、皆さんが心意気で関わってくれたので、最終的に形にするからには、世の中に対して意味のがあるかどうかがものづくりで一番大切なことなので、作った時にはその葛藤が一番でした。私の役目は人選びとイメージ、空気感や環境はしっかり描きたいと思っていて、そこはぶれませんでした。それがどう伝わるかは皆さん次第ですが、食べるということを感覚で観ていただいて、ひとつでも感じることがあったら広げていただければと思います。」

高木由利子さんの談話
「この映画がスタートする3、4ケ月前に監督の友達とかが集まっている中で「食べることの映画って無いよね。作れるといいね」という話で盛り上がったのですが、その時はまさか自分が関わるとは思わず、ステキなことがいろいろと起きて本当に映画を作ることになった時に、監督とプロデューサーからスチールを撮ってほしいというお話をいただきまして、参加しました。通常の撮影では、気持ち的に映画の一場面を切り取った写真を撮りたい、と常に思っていたので今回は撮影に困難も無く、自然に入れました。
(今回関わってみて)映画はたくさんの人が関わるので別もので、大変さも含めて出来上がった時の嬉しさや楽しさはスチールにはないものだと思いました。
野村監督の絵コンテは幼稚園生レベルだけど(笑)、女性にはよく分かる。それを見た時に彼女には思った以上に最初からビジュアルのビジョンがあるのだと安心しました。ほかのスタッフは全て男性だったので、その絵コンテを見せられてギャフンという感じだったかもしれませんが(笑)、私には説得力がありました。どう撮りたいかというクリアーなビジョンと現場での臨機応変な判断力が私の安心材料になりました。この映画は食べ物という切り口でできた映画なので、いろいろな切り口でもの作りができるというヒントとしてもこの映画を役立ててほしいと思います。お友達や知り合いに教えてください」