9月19日より公開され、現在大ヒット上映中の『カムイ外伝』。
同作の全国キャンペーンのため、公開初日から主演の松山ケンイチさんと崔洋一監督が、シルバーウィークの5連休で全国27劇場を回り舞台挨拶を行ってきたが、本日、そのゴール地点の新宿ピカデリーにて、最終回となる31回目の舞台挨拶を行った。

崔洋一監督:今回のキャンペーンが疾風怒濤だったのは間違いないですね。

松山ケンイチ:本当にすごいスピードでしたよね。

崔監督:ちなみに今回の総移動距離は5302キロメートルだそうですが、これは、東京〜シンガポール間の距離とほぼ同じだそうです。ケンイチの実家までの距離はどれくらい?

松山:僕は青森なので750キロメートルくらいですかね。だから東京と青森を3往復半するくらいの距離だったんですね。車で青森に帰省したことがありますが、辛かったです(笑)。

崔監督:頑張って行きました! でも、人の力って本当に凄いですね。今日もすごい熱気ですが、今回はたくさんの方から勇気をもらいました。途中で体が辛くなった時もあったんですが、皆さんからもらったエネルギーのおかげで乗り切れました。

松山:どこの劇場でも本当に温かく迎え入れてくれましたよね。舞台挨拶する度に元気をもらいました。

崔監督:この歳になっても食い意地が張っているんですが……昨日、名古屋で食べたうなぎは素晴らしかったよね(会場笑)。

松山:美味しかったですよね(会場笑)。

崔監督:札幌では僕だけ抜け出してラーメンを食べました(笑)。

松山:僕はスープカレーをいただきました(笑)。

崔監督:
『カムイ外伝』はトロント映画祭でも上映されて、私も参加したのですが、ケンイチも別の作品の上映で行った事があって、似たような経験をしているんだよね。お客さんが映画やカムイと一体化してくれていて、カムイが手裏剣を避けるシーンでは、3D映画ではないのに、お客さんもカムイと一緒になって避けてました(会場笑)。

松山:『カムイ外伝』は、すごく重いテーマも含まれている作品なんですが、まさか必殺技のシーンで笑いが起きるほど楽しんでもらえるとは思ってもなかったですね。僕が別の作品の上映で、トロントのお客さんと一緒に映画を観たことがあるんですが、声を出して応援してくれたり、拍手が起きたおかげで、より映画を楽しめたと思います。

崔監督:皆さんもカムイになって、カムイの視点で映画を楽しんでみて下さい。では、ここで一つ技をかけます!

(監督から松山さんへ手裏剣を投げる振り!⇒松山さんが映画本編さながらに上半身を反らして避けて、場内歓声!!)

では、皆さんにも!(客席に向かって手裏剣を投げる!(フリ)客席がそれぞれ上半身を動かして避ける!)

松山:みなさんの個性が出ていて良いですね。

■最後に2人からファンの皆様にメッセージ。

崔監督:いよいよ東京に帰ってきましたが、『カムイ外伝』は、まだ始まったばかりです。今日でキャンペーンは終了になりますが、この旅はまだまだ終わらせてはならないと思ってます。

トロント映画祭では、ある若い青年から「カムイが強い存在なのはよく分かったが、あの後、カムイはどうなるんですか?」という質問を受けました。それに対して私はシンプルに「2部を観てくれ」とだけ答えました(会場から盛大な拍手)。

松山:この舞台挨拶が31回目になりますが、本当に沢山の方が『カムイ外伝』に興味を持ってくれたようで、劇場で男も女も、年配の方も若い方も、たくさんの方に出会えました。それだけこの作品のテーマは普遍的なのだと思いますし、40年以上前の原作が今映画化されたことに意味があるのだと思います。僕にとっても必要なものになりました。

これは僕自身が思っていることですが、映画は教育だとも思ってます。自分の周りには学ぶべきことがたくさんありますし、流されそうな時もありますが、皆さんにも「自分が何を欲しているか」ということを芯に持っていてもらえればと思います。今日は本当にありがとうございました。

(上記、松山さんの挨拶中に、感極まった監督が涙を流し、最後には二人でガッチリ抱き合い感動的なフィナーレとなった)