日本のコメディ発祥の地、「浅草」。日本有数の芸術・文化施設の集積地域、「上野」。この2つの地域を舞台に、昨日9月21日(月・祝)〜25日(金)まで、「映画(Cinema)」「したまち(Old town)」「笑い(Comedy)」という3つの要素をかけ合わせた日本初の大規模なコメディ映画の祭典、「第2回したまちコメディ映画祭in台東」(略称「したコメ」、第22回東京国際映画祭提携企画)を開催中です!したコメでは、映画人、地元の皆さん、観客が一緒に盛り上がれる仕掛けが盛り沢山!昨年の第1回よりもさらに楽しめること間違いなしです!!

 洋画★シネフィル・イマジカ「浅草映画研究会」にて映画に対しても広い見識をもつ浅草キッドの2人が、自身がセレクトしたコメディ映画を語りました!進行役にはいとうせいこうを逆指名!
 

●実施日時:9月23日(水・祝)
●場所:東京国立博物館・平成館

<トークショーの様子>
 浅草キッドが「みんな〜やってるか!」「男はつらいよ寅次郎相合い傘」について語りました。 北野武監督とのマル秘エピソードなど会場を沸かせました!

■水道橋博士(浅草キッド)
 リアルタイムで見た時は、観客がみんな帰ってしまうんじゃないかと感じました(笑)「ソナチネ」を撮って世界のタケシと呼ばれ、コメディアンとしての初のコメディ映画が「みんな〜やってるか!」だった時は衝撃的でした。
 試写会中に師匠の事故がおきて、これが遺作になるという話でした(笑)この映画の出来を見て自殺をしたんじゃないかと(笑)師匠の愛人はだいたい出演していますから、探すのも一つの楽しみですね。
 構成がしっかりしているちゃんとした映画を撮れるのに、いかにも思いつきの映画を撮り続けていける壊し方というか、アカデミックな見方に対して映画なんて糞喰らえという意思を持っていると思います。
 すごいのが、「HANA-BI」が賞を撮ったとき、久石さんの音楽への評価が高くて、次から音楽を変えました(笑)弟子たちも映画の話になったとき褒めないといけないので、「タランティーノが誉めてます」と言ったら、「俺、タランティーノなんて好きじゃねぇえし。なんであいつのほうが上なの」って(笑)地雷がたくさんあるんです(笑)
 「座頭市」を見たあと師匠のところへ行って、「最後のタップが世界の拍手とかぶって聞こえました!」と言ったら、永延と素晴らしさを語っていました。最終的には「続篇を作りましょう!座頭市vsロボコップとか」って(笑)乗り気でした。

■玉袋筋太郎(浅草キッド)
 正月と言ったら「男はつらいよ」でした。今日目が腫れているのは、昨日「寅次郎相合い傘」を見て泣いたからです。昨日観てて、4回泣きました。この映画こそ、DVDで見ちゃいけない映画ですよ。「男はつらいよ」を渥美さんが自身で見るときは、必ず浅草の東映(映画館)で観ていたんですよ。
 もうこのシリーズは終わってしまっているので、だからこそ今、このしたまちで観たほうがいいですよ。ここで、あの松竹のマーク!中でも本作『相合傘』はシリーズを全部見ている人の中でも投票で1位で、浅丘ルリ子のメロンのシーンがいいんです。
 小学校2年生の時に、池袋の映画館で観ました。小学校の時、これを見てから、俺の理想の女性はビリー松岡でした。それ以来、俺の人生はビリーを探す旅ですよ。でも、俺のビリーはまだ、現れない(笑)あのテーマを聞くだけで涙が出ちゃう。オールスターがいい芝居しているんです。

■いとうせいこう
 「みんな〜やってるか!」は初め見た時、なんでこんなにベタなものを作ってしまったのかと思いました。でも、改めて見てみると実は笑わせるポイントがベタじゃない。リズム感が変で、普通ここで切って、ここで笑わせるというところは置いておいて、次の間で笑わせたり、逆に間が短かったり。
 「みんな〜やってるか!」をここで今、かけることは、松本人志さんの「しんぼる」に対して、こういうベタなものがある、という提示かもしれませんね。