「映画界を代表する“親子”のニヤミスも!芸術の街・新百合ケ丘で映画祭スタート!」

9月19日(土)、今年で15周年を迎える「KAWASAKIしんゆり映画祭」がワーナー・マイカル・シネマズ新百合ケ丘にてオープニングを迎えた。
「KAWASAKIしんゆり映画祭」は、市民が“手作り”で行う運営を行政がバックアップするというかたちで続いて来た市民映画祭。今年のオープニングを飾ったのは、『その日のまえに』、『俺たちに明日はないッス』、『棒の哀しみ』の3作品。各作品豪華ゲストが来場しゲストトークを行う中で、若手実力派女優として話題作にひっぱりだこの安藤サクラ、そして映画監督しても国境を越えて活躍中の奥田瑛二という、日本映画界を代表する“親子”が来場するという“ニアミス”も。残念ながら出演作が違うため(※安藤サクラは『俺たちに明日はないッス』出演、奥田瑛二は神代辰巳監督の遺作となった『棒の哀しみ』主演)、同時の登壇は叶わなかったが、2人とも映画祭ならではのトークを繰り広げ、オープニングを盛り上げていた。

「KAWASAKIしんゆり映画祭」は9月19日(土)〜27日(日)まで開催。川崎市縁の巨匠・神代辰巳監督特集や、“今こそ青春”敬老の日特集、今年で10年目を迎える、中学生によるジュニアワークショップ制作作品の上映会、ドキュメンタリー『葦牙−あしかび− こどもが拓く未来』『1000年の山古志—中越大震災と闘った小さな村の物語—』の先行特別上映など、最終日までイベントが目白押しだ。

「KAWASAKIしんゆり映画祭」は9月19日(土)〜27日(日)まで開催!
※9月20日(日)〜27日(日)は会場が川崎市アートセンターになります

(ゲストコメント)

『その日のまえに』
●大林宣彦監督
「しんゆり映画祭に来られて嬉しいです。映画はいわば“遺書”。思いを残す装置です。ぼくは70歳になって“新人宣言”をしています。これまでの功績に頼る事なく、スクリーンのような真っ白な気持ちで作り続けていく。この歳になると一緒に映画を作って来た仲間がどんどん亡くなって寂しいけれど、明日に向かって生きて行くつもりで次回作を撮っていきたいと思っています。」

『俺たちに明日はないッス』
●タナダユキ監督
「(上映時間が79分であることについて)今回映画祭で神代辰巳監督を特集されていますが、私も脚本の向井さんもロマンポルノが好きで、『俺たちに明日はないッス』も90分より長くならないようにと考えていました。原作が好きで映画化を考えたのですが、(赤裸々な青春時代の性を描いた作品なので)実際に生身の人間がやるとなると腰がひけちゃうみたいで、実現するまでに時間がかかってしまいました。安藤サクラさんに演じていただいた「ちづ」は、原作から設定を変えていることもあって私たちもつかみきれていなかったんです。でも安藤さんとオーディションでお会いしたときに、ああ「ちづ」がここにいる!と思って。即決でしたね」

●安藤サクラ
「私が演じた役は一番原作から脚色されていたので、原作は読まずに撮影に入りました。撮影後に原作を読んだんですが、元華族の変わったキャラクターの女の子だったので読んでいたら多分腰がひけていたと思います(笑)。海外の映画祭でも評判がよくて、みなさん楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。」

●さそうあきら(原作)
「デビュー5年目くらいの作品で、迷っている時期に読みきりの短編という形で、各登場人物のつながりなどにとらわれずに描いた作品でした。
実は、出演しているシーンがありますが、ぼくは演技はまだまだで…。申し訳ないと思っています(笑)」

『棒の哀しみ』
●奥田瑛二
「『棒の哀しみ』はぼくが俳優として勝負をかけていた時に出させてもらった作品。神代監督は自由に演じさせてくれる方で、こちらの提案をおもしろがってくれていました。傷を縫うシーンがありますが、僕は家事が得意なんですよ。裁縫も好きなので、あのシーンは楽しかった(笑)」