テアトル新宿ほか、全国公開中の『南極料理人』。大ヒットを記念して、9/13(日)テアトル新宿にて、本作で音楽を担当したユニコーンの阿部義晴さんと沖田修一監督のスペシャルトークイベントを開催致しました。

今回、初の映画音楽を手がけた阿部さんの制作秘話を直接聞ける、ということで前売りチケットは販売と同時に完売。遠くは博多からファンが駆けつけました。
また、特別に阿部さんのサイン入り「南極料理人」サウンドトラック、99枚を発売。このことを阿部さん本人から告知された瞬間、会場からは大歓声と拍手が沸き起こり、イベント終了と同時に長蛇の列が出来るなど、大盛況のトークイベントとなりました。

——今回、阿部さんに音楽をお願いした経緯を教えて下さい。

■沖田修一監督(以下、監督)
まずはユニコーンの再結成が一番大きかったです。大ファンなのでびっくりしました。 男8人の男臭い映画なので、ユニコーンにお願いできたら最高だな、と。更に、阿部さんに音楽をやって頂けたら…と、どんどん夢が膨らんでいきました。

——今回のオファーを受けてどのように思われましたか? また、初対面の印象は?

■阿部義晴さん(以下、阿部)
映画音楽に興味がありました。原作本があると聞いて、ヤフオクで落として読んだら、面白そうだな、と(笑)。それで、お引き受けしました。

■監督
網走ロケの前日に初めて阿部さんにお会いしたのですが、心の中がぐちゃぐちゃのままだったので、つい「一緒に網走に行きませんか?」と言ってしまい、大笑いされました。移動の車中で何度も、「ユニコーンの阿部さんに会うんだよね」とプロデューサーに確認していました。

■阿部
監督はロケ前でまだ悩んでいる感じでしたよね。あの頃に比べるとだいぶマスコミ慣れしてきて、いい感じにギラギラしてますよ、今は(笑)。

——映画音楽を作っていく過程で苦労した点、思いで話などを教えて下さい。

■阿部
メインテーマと、家族への想い・郷愁感のある曲、という2つのテーマを頂いて、あとは任せて頂きました。ツアーの合間にデモテープを作りました。「南極」という寒いところのお話なので、反対に南国風が良いかな、と。あと、ブルース・リーの映画を観た後は、みんな強そうになっているじゃないですか! あんな感じで、『南極料理人』を観た後、口笛を吹いて帰って欲しいな、と思って作りました。
それから「隊員」という言葉から「行進」もイメージしました。

■監督
頂いたデモテープがすごくドンピシャで びっくりしました。あっけにとられたまま進んでしまった(笑)。ひとつずつ音が重なる度に、隊員がどんどん増えていく感じがしました。

■阿部
うまいこと言いますね(笑)。
映画というと「物語」があるじゃないですか。でも『南極料理人』はとにかく”淡々”と進んでいく。そこが面白い!…んだよね?

■監督
僕の中では色々と起きていたんですけど…(笑)。

■阿部
ツアー合間の作業だったので、思いついたことをその場でどんどんやりました。

■監督
そのシーンにその音が付くのが、始めから決まっていたかのようなハマり方でした。

■阿部
僕は音楽を作る時に、絵や風景が影響することが多いので、それが良かったのかもしれませんね。

また、『南極料理人』オフィシャルチャンネル(http://ch.yahoo.co.jp/nankyoku-ryori/index.php)
にて動画「南極料理人のテーマができるまで」を配信中。