日本とフランス、国境を越えて最高のクリエーターたちが集結し、世界中の親子に向けて発信する映像プロジェクト『よなよなペンギン』。──それは、ペンギンが大好きな少女ココと仲間たちのワクワクドキドキの物語。

精巧かつ丹念に創られた飛び出す絵本のように美しい世界と、玩具箱から飛び出してきたように楽しく動き回るキャラクターたち。『鉄腕アトム』『銀河鉄道999』『幻魔大戦』など、手塚アニメ以来、40年にわたり日本アニメの第一線で活躍してきたりんたろう監督が、『パプリカ』『サマーウォーズ』のマッドハウスと強力タッグを組み、夢見ることの価値、友達の大切さを思い起こさせる、この冬一番あたたかい奇跡の冒険ファンタジーを誕生させた!!

先日、日本時間9月12日(土)、イタリアのヴェネチアで行われている第66回ヴェネチア国際映画祭にて、公式記者会見を行いました。

出席者:
りんたろう監督(68歳)、丸山正雄企画プロデューサー(68歳)、
デニス・フリードマン・プロデューサー(49歳)

「まるで絵本の世界が動き出したような映画、
本来、子供の中にある”かわいらしさ”を描いた映画を作ろうと思った。」
  (原作・監督りんたろう)

日本アニメの歴史を創り続けてきたりんたろうが、世界の親子に贈る冒険ファンタジーを、ヴェネチアでお披露目!!

■りん:
今回、ヴェネチアの映画祭で僕の監督した作品が上映されて光栄に思ってます。マッドハウス含め、全く新しいフルCGを作ろうとなりました。僕は45年間、2Dをやってきたけど、コンピュータの将来性、未来性を感じて、日本独特の2Dのテイストでどこまで出来るのか挑戦してみたいと思った。少女がペンギンのコートを着ることで日常から非日常の世界へ行く。非常にシンプルに、でも動く絵本のような映画を作りたいと思いました。2Dアニメーションの世界は背景が重要なモチーフ。それが日本アニメの特徴。それをフルCGで、詳細に描くことで主人公の人物像も浮かび上がるんです。少女の目線で、同じ年代のザミー、ゴブリンにキャラクターを絞りました。絞った理由は、現在子供は、不自由な時代な中で生きていかなければいけない中にあるからです。本来、子供の中にあるかわいらしい心は誰でも持っているはず。それを見せるためには、大人の社会を排除しなければならない。でも本当は親子の信頼関係があるから、自分の娘が夜中に街を徘徊していようが許しているし、恐らくココもお母さんの言うことをきいているんだと思います。そんな理想的な親子関係の世界を描きました。
僕は、小さい時からペンギンが好きなんです。身近にいるのは猫なんですが、本当はペンギンを一緒に飼いたいくらい。それと、飛べない鳥にも興味がありました。それで、少女を主人公にすることで、つながらないか?ペンギンのコートにすれば何とかなるか。そんな発想です。
僕は妄想癖が強く、西洋絵画を紐解いてみたり、日本の文化を取り入れたり、普段から考えているんです。現実的な生活をしてますけど、頭の中は非現実的なんです。今回、ペンギンのコートを着るということで、自然と西洋や東洋が取り込めたと思います。僕はキリスト教ではないので宗教的にとらえてないが、西洋絵画のエンジェルはかわいいので、逆にザミーのようなワガママなキャラクター出してみたり、イギリスは妖精を作り出しましたが、その本を読んでゴブリンの面白さに気付いたり。ボーダレスで構成したのが今度の作品です。

■丸山:
監督とは前に『メトロポリス』を作ってます。結果日本は世界でその分野に立ち後れているので、僕らが先頭をきって挑戦すべきだと思いました。日本でフルCGで最初にやろうと企画したのは、これがたぶん最初。企画から10年、動き出して7年、現場で5年かかっています。これが日本の最初のCGアニメとして世界に羽ばたくものになったと思う。『メトロポリス』はその布石であったことは事実。

■デニス:
確かに、初めてのアニメの長編としては日仏最初の合作だと思います。最初の作品に参加でき、しかも「マッドハウス」と協力関係を築けて嬉しいです。私たちは、仏の映画祭で知り合い、その時にりんたろう氏の作品を見て素晴らしいと思った。それで、このプロジェクトを進めていこうと思いました。りん監督の作業は大変だったし、文化の違いもありましたが、アニメとイメージの関係性を、日仏同じようにもっているとわかりあえたと思いますし、強力なチームワークを築けたと思います。お互い、素晴らしい作品を生み出そうという共通した意識があったので非常に高い作品が出来たと思います。りんたろうさんには、ぜひともこの映画と共に世界を旅してほしい。

12月23日(水・祝)よりクリスマス・ロードショー!