好きな場所と好きな人、ただそれだけのシンプルな映画『プール』。タイの古都チェンマイを舞台に織り成される、6日間の5人の物語だ。
原作は映画化を前提に書き下ろした、漫画家・桜沢エリカ。脚本・監督は数々の秀作を手がける脚本家であり、近年は演出家として活動を広げている、大森美香。キャストは『かもめ食堂』『めがね』でお馴染みの二人、小林聡美ともたいまさこ。さらに加瀬亮、初の映画出演となるモデルの伽奈が参加している。
その映画『プール』が初日を迎え、シネスイッチ銀座にて初日舞台挨拶が行われた。

●登壇者
小林聡美、加瀬亮、もたいまさこ、伽奈、もたいまさこ、大森美香監督

場内は若い女性が占め、客席の歓声と共に舞台挨拶は始まった。
MCから話せる程度の自身の役柄について聞かれた小林は、「隠すようなことはないです(笑)。チラシに書いてあるような役です(笑)。」と場内を笑いで沸かせ、「表面的には好き勝手なお母さんと捉えがちになる方もいらっしゃると思いますが、もしかしたら他の人のためになると思ってチェンマイに行った、心の優しい人なのかもしれません。」と自身の役柄について語った。
多くの映画作品に出演する加瀬は、『プール』ならではの撮影現場の雰囲気を聞かれると、「撮影場所が変わらなかったですね。それと、基本的に出演者がいいかげんな人達でした(笑)。あと、ゆっくり撮影していたこともあって、みんな一人残らずワンシーンを見ていたことが印象的でしたね。」と撮影舞台裏について語った。
一方その中で、緊張した面持ちで登壇していたのが、映画初出演の伽奈。伽奈と共演したことについて小林は「映画初出演の伽奈さんが一人だけ、何回か仕事したことのある俳優さんとスタッフ同士の中に入るのは、心細いだろうなと心配していたんですが、若いのに自立している方だったので、むしろ構う方が煩わしいかななんて思っていました。伽奈さんはすごく新鮮で、動く度に私達は面白がっていましたね(笑)。」と話し、続けてもたいも「小学校の男の子みたいで、付き合えば付き合うほど面白い方ですね(笑)。」と両者とも伽奈に魅了されている様子だ。当人の伽奈は「一緒にいて安心できる皆さんでした。」と遠慮がちに語ってみせた。

最後に大森監督が「台詞の少ないシンプルな映画になっています。その分、風の音や人の気持ちを感じながら観て頂けたらと思います。皆さん自身がチェンマイに遊びに来た様な気持ちになって頂けると嬉しいです。」と客席へ挨拶を述べた。

(Report:竹尾有美子)