ドラマ、演劇と幅広い活躍をみせ、日本を代表とする演技派俳優である岸谷五朗さんが今回は岸谷五朗監督となってメガホンをとった作品『キラー・ヴァージンロード』。主演はコメディ系からシリアス系まで完璧に演じる今若手女優No.1と謳われる上野樹里さんと、日本のみならず海外からも高い評価を受けている木村佳乃さん。二人はそれぞれ「結婚したい女」「死にたい女」を演じている。

そのフルスロットルムービーが今日初日を迎え、岸谷五朗監督、上野樹里さん、木村佳乃さん、寺脇康文さん、そして小出恵介さんが初日舞台挨拶を行った。

岸谷監督は「ずっと温めてきた作品をようやく今日初日を迎えることができて嬉しいです。」と朗らかな笑顔で挨拶した。上野さんは「どうもー、上野樹里です。」と大きな声で観客に挨拶し、「お客さんの笑顔が一番嬉しいです!!」と満面の笑みで語った。木村さんは「本当に楽しい作品に出来上がったなと思います。岸谷監督が次回作をお考えであるなら、ぜひまた呼んでください。」と話した。小出さんは「僕の撮影は一日しかなかったんですけど、一日でも凄い楽しかったです。」と語った。

初監督として、今回印象に残っていることを聞かれると、岸谷監督は「役者の凄さ、役者のキラキラとした輝きだったり、役作りに対する俳優の姿勢というものを実感することができました。」と振り返った。役作りに対する俳優の姿勢について詳しく聞かれると岸谷監督は「振り切る女優の凄さじゃないでしょうかね。」と笑って答え、寺脇さんも「まさしくそうだ。佳乃(木村さん)なんて本当にそうだ。だって車の上に落ちるシーンで思わず事務所大丈夫なの、って思っちゃったもん。」と深く頷いた。

当の木村さんは、役作りについて質問されると、「樹里ちゃん(上野さん)と一緒に作りあげていった感じです。樹里ちゃん演じる泥沼ひろ子がいたからこそ私の演じる小林福子が完成されたんだと思います。」と話し、それを聞いた上野さんは「私もそうですよ。この作品はみんながいたからこそ自然と出来上がっていった作品なんですよね。」と笑顔で語り、監督と出演者陣の仲の良さがにじみ出ていた。

逆に出演者陣にとって岸谷監督はどのような印象か、という質問に、小出さんは「ゼリーを投げるシーンがあるんですけど、何回やっても気に入ってくれず、監督の厳しさを感じました。」と苦笑い。

また途中で、今作品の応援部隊として新人タレントの福田彩乃さんが登場。初日を迎えるまでに47都道府県を周ってチケットを販売してきた彼女に岸谷監督は「本当にありがとう。新しいスーツケースをプレゼントするから、好きな県をもう一度訪れて販売してきて。」とさらっと言い、それを聞いた福田さんは「え、複雑な心境です。」と心配を隠せず、会場の笑いを誘った。

最後に、映画『キラー・ヴァージンロード』にちなんで、上野さんと木村さんから岸谷監督に「キラー・ヴァージンローズ」が手渡された。上野さんはバラを渡した際に、いきなり岸谷監督と周って踊りだすという出来事も。「前もって踊るって言ってよ!!」と岸谷監督がすぐさま上野さんに突っ込み、会場を沸かせた。

(Report:樋口 綾)