9月8日(火)。
『ココ・アヴァン・シャネル』主演女優のオドレイ・トトゥが、来日記者会見を行った。

オドレイは、『アメリ』(01)、『堕天使のパスポート』(02)、『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』(06)に続く、2年ぶり4回目の来日である。
マスコミや関係者が詰め掛けている会場の様子に、オドレイは目を輝かせ、満面の笑みで登場した。そして「緊張して笑いが込み上げてしまうわ!来日する度に皆さんに温かく歓迎していただけて、本当に嬉しくて幸せで、感謝しています」と挨拶をした。

Q:オドレイさんがシャネルに関して今まで知らなかったことで、特に驚いたエピソードは何でしょうか?

A:それは2つあります。1つ目は、シャネルが初めからデザイナーを目指していたわけではなかったことです。歌手や女優になることが夢で、洋裁の仕事に携わりながら田舎のキャバレーで歌っていたというエピソードには驚きました。2つ目は、役作りの段階で伝記などを読んでいて、シャネルが困難な幼少時代を過ごしていたことに驚きました。シャネルは孤児院で暮らしながら独学で教養を身に付け、色々な人と交流を深めてきたのです。

Q:オドレイさんのファッションに対するこだわりや、好みのスタイルはありますか?

A:私はファッションに対してこだわりや方針をそれほど持っていません。色々好きで、もちろんシャネルの洋服も好きですよ!シャネルのスタイルはシンプルであり、エレガントなところが素敵です。

Q:ファションに興味を持つ日本人に、何かメッセージをいただけますか。

A:私は歳を重ねるごとに、ファッションの重要さを感じていますね。エレガントに装おうとデリケートに自身の身なりに気を使うことは、素晴らしいと思うので。洋服は‘たかが洋服’ではなく、内面をうつすもので、個性を表現する装いを選ぶことは大事だと思いますし、努力し続けてほしいですね。

Q:シャネルを演じて感じた、オドレイさんご自身との共通点を教えて下さい。

A:シャネルとは生まれた地方が同じで、独特の体型や容姿が似通っていること、8月生まれで‘獅子座の女’という共通点があります。また私は‘自立心’や‘精神の自由さ’は大切だと思っていたので、性格的にも共感できました。シャネルのデザイナーとしての仕事ぶりには非常に敬服しています。シャネルのデザインは時代の先取りで、いつの時代にも愛される、個性を生み出した永遠の服ですよね。私も‘女性が男性にいつも従うのはいかがなものか’と疑問に思うことがありました。シャネルは100年も前に、現在の女性が考えることを実践していたのだから、素晴らしいと思います。

Q:作品の中でシャネルが歌って踊るシーンがありますが、オドレイさんは実生活で歌ったり踊ったりすることは好きですか?

A:ええ、私生活でもダンスは好きです。ただ、少し恥ずかしがり屋で、パーティーでお酒が入れば踊る程度ですね。この作品で歌って踊るシーンは振り付けが簡単だったので、それほど苦労しないで、とても楽しく撮影できました。

質疑応答後のフォトセッションでは、オドレイがたくさんのフラッシュを浴びて、眩しそうなしぐさをするという、キュートな一面も見られた。

(Report:今井理子)