海獣シアター/アスミック・エース製作による塚本晋也監督の最新作『TETSUO THE BULLET MAN』が、本年度の第66回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門へ日本唯一の正式出品され、現地時間9/5(土)記者会見及び公式上映が行われました!

 塚本監督は同映画祭にて、2002年『六月の蛇』でコントロ・コレンテ部門審査員特別賞を受賞。1998年『BULLET BALLET バレット・バレエ』、2000年『双生児』、2004年『ヴィタール』を招待作品として上映しており、5度目の正式出品。また、1997年第54回開催時には大島渚以来の審査員も務め、2005年にも2度目の審査員として参加。今回は初めての栄えある”コンペティション部門”への出品(日本映画としては過去、『羅生門』(52)、『無法松の一生』(58)、『HANA-BI』(97)の3作が最高賞となる金獅子賞を受賞している)
 今回、5日(土)PM12:00(現地時間)より行われました記者会見には、塚本監督、主演のエリック・ボシック、川原・谷島両プロデューサーが出席。海外でも名前の通っている塚本監督最新作として、記者会見場は世界中から数多くの報道陣が集まり、多くの質問が飛び交う、熱狂的な会見となりました。
 また、同日深夜24:00より行われましたレッドカーペット&公式上映には、主演女優の桃生亜希子とステファン・サラザンも加わり、世界各国のマスコミと塚本ファンを中心とした観客で一杯となった会場で上映に臨みました。上映中、その斬新かつ衝撃的な映像に現地の観客たちは驚嘆と感動を、大いに盛り上がり、上映終了後には観客によるスタンディング・オベーションが湧き上がるなど、大盛況のうちに終了しました。
 本作は誕生から20周年を迎えた塚本監督の世界的代表作『鉄男』の21世紀版。海外を視野に入れた「全篇英語」で撮影され、いままでの続編ではない全く新しい≪TETSUO≫が誕生します。
 去る7/23、米カリフォルニア州サンディエゴで開催された世界最大のコミック&ポップカルチャーの祭典「Comic-Con(コミコン)2009」の会場にて、全世界同時「製作発表会見」を実施。

●記者会見:9月5日(土)12:00(現地時間) @プレスカンファレンス会場
出席者:塚本晋也監督、エリック・ボシック、川原伸一P、谷島正之P

塚本晋也監督のコメント
「『鉄男2』のあとハリウッドから、アメリカで鉄男を撮らないかという誘いを受けて、そのときはかなり乗り気になって向こうで打ち合わせもしました。でも鉄男は僕にとって、頭のなかにあるぐちゃぐちゃしたものを表現するような映画。向こうの合理的なプロデューサーと作るのは難しいのではないかと思い、結局実現しなかった。でもそれ以来ずっといつかはやりたいと思い続け、今回昔ながらのやり方で自分の仲間たちと好きなように作る方法でやることにしました。結果的にシンプルで力強く、前二作のままの気持ちに、今の新たな感情をプラスしたものができたと思います。
「コンペと聞いて一番驚いているのはこの僕。ニュースを聞いたときは興奮したけれど、ちょっと違うのでは?という不安もありました。でもこれまでコンペを目指して作った作品は違う部門だったりもしたので(笑)、選ばれたのはとてもうれしい」
ある海外のジャーナリストは、「あなたの映画は詩的でありながら暴力的。ニつの要素はかけ離れたものですが、このテーマについてどう思うか」と質問。監督いわく、「難しい質問ですね(笑)。暴力は自分にとってはある種ファンタジー。これまでは東京で悲惨なものを目にする機会もあまりなかったから、ファンタジーとして描いて来ましたが、最近は笑えない事件が多くなっている。それだけに作り手として慎重にはなっていますが、人間の本能のなかでそういうものをみたいという気持ちもあると思います。実際に暴力を振るわない替わりにそれを映画で見て味わうことがあってもいいのではないかと。ただし描き方はいろいろで、それがファンタジーであってもいいし嫌なものとして描いてもいい。説明しにくいですが、それが僕の気持ちです」

 会見終了後はファンがかけつけ、監督とキャストにサインを求めるという映画祭で恒例の風景も。塚本監督の熱狂的なファンがいるイタリアならではの熱さを感じさせた。

●公式上映:9月5日(土)24:00(現地時間) @SALA GRANDE
●日本マスコミ向け囲み取材:公式上映終了後 26:00頃〜 予定
出席者:塚本晋也監督、エリック・ボシック、桃生亜希子、中村優子、
川原伸一P、谷島正之P

 ヴェネチア映画祭のコンペティション作品に選ばれた『TETSUO THE BULLET MAN』が、現地時間の9月5日深夜24時から、メイン会場のサラ・グランデで上映された。真夜中にもかかわらず会場は地元イタリアの熱狂的な塚本ファンをはじめ老若男女あわせた観客で九割がた埋まった。上映前のキャスト・スタッフの紹介から、すでに監督コールで会場から拍手と掛け声があがり、期待の高さを表していた。
 上映後、客電がつくとスタンディング・オベーションが沸き起こり、5分も続く熱狂ぶり。ディレクターのマルコ・ミューラー氏も最後まで付き添うという異例の対応で、会場には他に審査員長のアン・リーと審査員メンバーのサンドリーヌ・ボネールの姿も見られた。
 上映後に行われた囲み取材で、観客の反応に対する感想を聞かれた監督は、「これまでの鉄男を海外で上映したときの反応とはかなり違った。たくさんの観客の拍手を聞けてよかった」とコメント。日本代表として唯一コンペに入ったことについては、「いまでもなぜコンペに入ったのかよくわからない(笑)。レッドカーペットをみんなで足並み揃えて結婚式のように歩いたことで、やはりすごいことなんだと実感しました」
 晴れのレッドカーペットを歩いたキャスト陣のそれぞれの反応は、
エリック・ボシック「とにかく素晴らしい経験でした。レッドカーペットはたしかに結婚式のような晴れ舞台だった」
中村優子「現場で頑張った仲間たちの顔を見ながら歩くことができたのは、本当に幸せでした」
桃生亜希子「人生で何度あるかという感じ。『(レッドカーペットは)意外と短いよ』と監督に言われていましたけれど、実際は長く感じました。ちょっと寒かったけれど、レッドカーペットの終わりでは、みんなでこの瞬間を噛みしめなきゃね、と話しました」
海獣シアターのプロデューサーの川原伸一氏は「素晴らしい場に招待してもらってとても光栄。映画で広くみえる現場はかなり狭いところで、まさにセットを解体して誇りまみれになっているところからヴェネチアに飛んで来たので、とてもギャップがありました。観客があたたかく迎えてくれたことが何よりもうれしかったです」
またアスミック・エースのプロデューサー谷島正之氏は、「今年の審査員長は『ハルク』を作ったアン・リー。怒りによって人間が変貌するという物語を作った彼が、『TETSUO THE BULLET MAN』をどう判断するか、とても楽しみです」と語った。

日本公開:2010年 全国ロードショー