人が人を想う気持ちを丁寧に綴った『半分の月がのぼる空』。原作は発行部数が140万部も越える橋本紡の人気小説。原作者の出身地である三重県伊勢市の全面バックアップのもと本作も小説に描かれている山や病院の屋上から眺める街並みなど、美しい感動の名シーンをフィルムに焼きつけました。
裕一には『砂時計』(08)など着実にキャリアを重ねている若手実力派俳優・池松壮亮。里香には「ポッキー」のCMキャラクターで注目を集め、『BECK』(10年秋)でもヒロインを務める新星・忽那汐里。また夏目には『アフタースクール』など唯一無二の存在感で物語に奥行きを与えた大泉洋。主題歌は今女性を中心に支持を得ている阿部真央が「15の言葉」を提供した。そして、メガホンをとるのは、いきいきとした人物描写で高い評価を得た『60歳のラブレター』の深川栄洋監督。
出会いから別れ、恋をし、愛し合い、失い、さまざまな“ずっと”が描かれた珠玉のラブストーリー。
人には人の数だけ“ずっと”の想いがあります。誰もが一度は胸に秘めたことのある“ずっと”の想い。その想いが静かにあなた胸から溢れてきます。
儚く強い想い…。ひたむきに生きる3人がつなぐ大切な想いが紡がれた本作。
撮影現場会見の全貌が、明らかに!!!

監督・キャストからのコメント↓

【深川栄洋監督】
全国の人たちが伊勢という名前を知っているけれども、今まで見えなかった伊勢の横顔や後姿を舞台に映画を作っています。
内容は大人たちが必ず一回は通ってきた、人のことを好きになるとか、人のために何かをするとか、小さな成長かもしれないけれど、「人のために前に進んでいく」というのが見られる映画です。登場人物が成長していく姿を、ぜひ映画館に足を運んで確かめていただければ、観てくださった方々に特別なものが残るのではないかと思っています。
また、観ていた本作の額縁が、中盤から、今までのものと違う額縁だったんだと思ってもらえるような仕掛けがあります。それによって、原作にあるいくつかの感動的なエピソードを拾い上げたりすることができました。映画ならではのアレンジで表現しています。そこに注目していただくと面白いかと思います。
今まで観たことがないような映画になると思います。ご期待ください。

【池松壮亮】
この伊勢の地で深川監督をはじめ素晴らしいスタッフ囲まれ、地元の方々の協力を得て、確かな手応えを掴みながら頑張っています。
映画の限られた時間という中で、裕一という、すごくピュアで真っ直ぐなキャラクターをどうやって見せていけば魅力的になるのか、本当に役作りが難しかったです。自分も原作を何度も読んで、大好きですが、映画として面白くするために、裕一というキャラクターを現場で監督と新しく作り上げていきました。
伊勢オールロケができることもすごくありがたいと思いますし、土地柄が作品に影響することはかなり大きいと思いますので、作品を楽しみにしていてください。

【忽那汐里】
今回この作品に出演できて、本当に心から嬉しいなと毎日思いながら撮影しています。正直、本番直前までこのように悩んだり不安だったりという現場は初めてでした。それ程自分の中でもこの作品に思いがあります。池松さんが私にカメラが向いている時でもきちんとお芝居をして下さって、本当に心強かったです。ありがとうございます。
私が演じる里香は幼い頃からずっと病気だったので、不安で仕方がない、不安のピークがずっと続いてるんですけど、それをあまり見せなかったり、ちょっと我を張るような子なんだけど、内心はしっかりプライドがある子なのかと思っています。
監督やスタッフの方、キャストの方に支えられながら毎日撮影をしています。この作品に関わっている全ての方と、本当にいい作品を作りたいと思っています。

【大泉洋】
今回作品のオファーをいただいたときは、マネージャーから「やりました大泉さん。ついに純愛映画です…!」と。「きたか!ついに俺にもそういう仕事がきたか!」と思いました。純愛という言葉に非常に魅かれましてですね、胸踊りながら、台本を読んでみたところ、純愛してたのは俺じゃなかった。若い二人だったんです。(笑)
僕が演じる夏目という役は重い過去を背負っております。僕は今年に入ってから自分の劇団の舞台で陽気な役を演じていたので、久しぶりに普段の生活もピリッとするような役をいただけて、やりがいを感じています。
深川監督はきちんと演出して下さる監督ですね。監督の演出で夏目という人が、台本で読む何倍も深くなっていくんです。
わからないことは監督とじっくり話し合いました。そういう時間を作ってくれる素晴らしい監督だと思います。夏目がここでどういう気持ちでいるのか、どうしてこのセリフが出てくるのか。最終的には「なるほど。」と。台本通りに読んだだけではできない世界観を与えてもらえる。全体を通して夏目をこう見せたいというプランがあって、そこに向けて1カット1カットが細かく構築されている感じがしますね。とても安心して任せられるというか、深川監督の世界に浸りながら演じていけるという感じですね。
伊勢神宮の内宮も外宮も行って、ホテルから45分位歩くとゴルフの打ちっぱなしがあるので、運動もかねてそこにも行ったりしました。伊勢うどんを食べたり、てごね寿司を食べたり。ご飯がおいしいのでダイエットしなきゃいけない僕には辛いです(笑)。
長い滞在でも、あまりホームシックにならず、北海道に帰りたいと思わなかったです。見たところ、のんびりさ加減は北海道に似てるのかな。本当にいい街ですね。
勉強の毎日で楽しい撮影を行っています。素晴らしい映画になるという手応えを十分に感じています。