現在、カンヌ、ベネチア、ベルリンとともに世界4大国際映画祭と称される第62回ロカルノ国際映画祭(8/5 – 15)にて、公式記者会見が行われ、「Anime Now」プログラム内にて公式上映され、ワールドプレミアを迎えました。
 開催地であるスイス南部の都市、ロカルノのPalazzo Morettiniにて、現地時間8月15日(土)午前10:00(日本時間:同日午後18:00)、片渕須直監督が出席し記者会見が開催されました。また、現地時間11:00からは、3,200席を収容可能な会場“オーディトリアムFEVI”にて公式上映が行われ、上映後には片渕須直監督による舞台挨拶も行われました。
 会場には映画人やヨーロッパの子供づれの家族が数多く集まり、コミカルなところでは笑い声が広がり、エンドロールでは拍手喝采が巻き起こり、作品はロカルノの地で快く迎えられました。上映終了後には、現地の観客やマスコミからの活発な質問に、片渕監督はひとつひとつ丁寧に答えました。終了後には、サイン攻めに合う場面も見受けられ、盛大なワールドプレミアとなりました。

■片渕須直監督(かたぶち・すなお/49歳)
「この作品の中の光景は、原作の?樹(のぶ子)さんの身に実際に起こった出来事だとおっしゃっていました。湖のほとりにあるこの美しいロカルノでご覧になって頂いたので、舞台の山口県の田園風景からロカルノの皆さんにも“なつかしさ”を感じて頂けたら嬉しいです」

※舞台挨拶にて、以下(抜粋版)の原作者・?樹のぶ子によるメッセージを代読しました。
「本作は、アニメであってアニメではありません。少なくともアニメらしいアニメではないのです。人は空を飛ばず、空想上の生物は活躍しません。
おまけに泣きたいぐらいに古い。切ないほどに身近です。
ここに描かれている人物は、過去、現在、未来のすべてに、生きて実在しているフツウのアナタだからです。
私達はいま、大自然の危機に直面し、生き迷っています。そんな時こそ、古い教科書のページを捲って、
私達はどこから来たのかを確認するべきではないでしょうか。そこにはきっと、未来への処方箋が隠されています。
今こそ古いものほど新しい・・その発見こそ、覚めることの無い魔法です」