日本で愛され続けてきた実話『ハチ公物語』をハリウッドで映画化した『HACHI 約束の犬』が8月8日に初日を迎え、丸の内ピカデリーにて豪華日本語吹き替え版キャスト陣による舞台挨拶が行われた。舞台にはリチャード・ギア=パーカー・ウィルソン役の北大路欣也さん、ジョーン・アレン=ケイト・ウィルソン役の真矢みきさん、ダヴェニア・マクファデン=メアリー・アン役の柴田理恵さんが登壇した。

○一言ご挨拶をお願いします

北大路さん
「私は、この映画に込められた魂に引きずられるようにして、吹き替えとして参加しました。妻役の真矢さんに支えられ無事に終えることが出来ました。どうぞこの素晴らしい映画を堪能して頂きたいと思います。」
真矢さん
「皆さんは本当に着眼点がよろしく、素晴らしい映画を選ばれたと思います(笑)。この映画は、どの映画よりもシンプルで何よりも感動できる作品だと思います。何年か前に『忠犬ハチ公』を観て非常に感動しました。それが未だに心に残っています。家族揃って観て頂けたらと思います。」
柴田さん
「日本人が描くハチと外国の人が描くハチの物語は違うんじゃないのかなと思いました。そういう所を楽しんで頂けたらと思います。犬好きな人も犬好きじゃない人も感動するお話です。この作品の吹き替えに携われたことに嬉しく思います。」

○アフレコをなさった感想は?

北大路さん
「子供の頃、捨て犬を2匹拾って両親に内緒で飼っていました。そんな犬好きなので、アフレコする際には、犬のにおいや肌触りを思い出しながらやりました。」
真矢さん
「アフレコは初めての挑戦だったので、家でDVDを観て口を合わせる練習などしていたんですが、仕事を忘れ、だんだん映画に見入ってしまって、涙が止まらなくなりました(笑)。」
柴田さん
「私も吹き替えは初めてだったので、テンポについていくのが大変でした。私はリチャード・ギアさんが大好きなので、北大路さんの声ではあるんですが、リチャード・ギアさんと一緒にやっているようで幸せでした(笑)。」

○柴田さんはリチャード・ギアさんにお会いになられたんですよね?

柴田さん
「はい、とても良い方でした。リチャード・ギアさんも北大路さんの幼い頃のように、捨て犬を拾ってきて育てた経験があるそうで、現在では自宅で、保健所から引き取った犬を飼っているそうです。お会いした時、直接本人には恐れ多くて、吹き替えを担当しているなど言えなかったんですが、後に、「なんで言ってくれなかったんだ。全世界みんな俳優はシスター、ブラザーなんだよ」とおっしゃって下さったのを関係者の方から聞き、とても嬉しく感じました。その言葉でみんなで作った作品なんだとしみじみ思いました。」

ハリウッドが讃えた日本の心が、今再び日本へそして全世界へこの夏届く。

(Report:竹尾有美子)