13日より開催中のカンヌ国際映画祭だが、今年は、日本映画の上映および日本関連のイベントが映画祭の前半に集中しており、時折、雨模様に見舞われる中、日本から来た取材陣はてんてこ舞いの大忙しとなった。

◆15日(金)、現地時間22:00〜26:00に第22回東京国際映画祭・TIFFCOM主催のレセプション”ジャパンナイト”が開催!

 映画祭3日目、東京国際映画祭事務局は、今年の10月17日〜10月25日に開催する第22回東京国際映画祭をカンヌに来ている世界の映画人にアピールするレセプション・パーティ”ジャパンナイト”をマジェスティック・ホテルのビーチで開催した。当日は朝の大雨から降ったりやんだりの、およそカンヌらしからぬ空模様ではあったが、深夜のパーティに1000人以上が来場。映画製作会社をはじめ、映画見本市のマルシェに参加する世界中のセラーやバイヤーたち、映画祭関係者やジャーナリストたちが続々と集い、交流を深めていた。
 パーティでは22回目を数える今年の東京国際映画祭の概要、環境&エコロジーを意識したグリーン活動を具現化した”グリーンカーペットクラブ”の発足報告、オフィシャルスポンサーなどが発表された。

◆監督週間では、諏訪敦彦監督がフランス俳優イポリット・ジラルドと共同監督した『ユキとニナ』が上映!

 『ユキとニナ』は、フランス人の父親と日本人の母親の間に生まれ、フランスに暮らす9歳の少女ユキが離婚の危機を迎えている両親の仲を取り持とうとするが、なかなか上手くいかないため、親友のフランス人少女ニナと一緒に家出。森に辿り着くが……という物語で、諏訪敦彦監督が、オムニバス映画『パリ、ジュテーム』の一編「ヴィクトワール広場」を手掛けた時に、出演者として知り合った俳優ジラルドと意気投合し、一緒に映画を監督したいと思ったことから生まれた作品だ。
 諏訪監督は2作目の『M/OTHER』が1999年の監督週間で上映作されて国際批評家連盟賞を受賞、2001年に3作目の『H story』が、ある視点部門で上映されるなど、カンヌ映画祭に縁のある監督で、『ユキとニナ』の正式上映は15日の夜(公式記者会見は同日の昼)。翌16日に、マジェスティック・ビーチで日本人記者の囲み取材を受けた諏訪監督は、自作に対する思いを語った。

◆各国セラーのブースが立ち並ぶリヴィエラで、日本会社20社がイベント”Sake Night”を共同で開催!

 カンヌは映画祭と併行して、世界最大の映画見本市マルシェが開催されることでも有名だ。映画祭の期間中、世界中の映画会社のセラーとバイヤーたちが交渉を繰り広げる商談の場となっているのだ。ハリウッドのメジャースタジオが高級ホテルの一室にブースを設ける一方、メイン会場に隣接する会場リヴィエラにも各国のセラーのブースが立ち並んでいる。日本の映画会社やTV局の多くも個別に海外セールス用のブースを出して自社の映画の宣伝と売り込みを行っている。
 そこで、カンヌ映画祭に参加している日本の会社が互いに協力し合い、日本映画をPRしようと、揃いのハッピを着て日本酒や日本のビールを振る舞い、日本独得のおつまみを提供するイベント”Sake Night”を17日の夕方にリヴィエラのブースA11&A14で開催。珍味を味わえる思いがけないチャンスを得た外人客に大ウケであった。共催したのは東映、東宝、松竹、角川ピクチャーズ、日活、NTV、TBS、GAGA、エイベックス、東北新社、スタイルジャム、ショウゲート他の全20社。
(記事構成:Y. KIKKA)