7月20日まで開催中の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の中に、日本のデジタルシネマ最新作を紹介する「特別招待作品部門」がある。
今秋劇場公開の心に染み入る感動作、映画『引き出しの中のラブレター』が、一足早く特別上映された。

映画『引き出しの中のラブレター』主演の常盤貴子はラジオパーソナリティを演じている。
主人公、真生は4年前に父親と喧嘩し、絶縁。仲直りもしないまま2か月前に父親は他界した。そんな彼女の元に、父が亡くなる前、自分に宛てて書いた手紙が届く…。優しく温かい気持ちを運んぶ感動作となっている。

本作の監督を務めたのは、三城真一監督。ドラマの制作現場でディレクター、プロデューサーに従事する一方、ドラマコンテンツの企画立案にも携わる。主なテレビの企画作品には「ドラゴン桜」「花より男子」シリーズがある。映画『引き出しの中のラブレター』は長編劇場公開監督2作目となる。

映像ホールで行われた特別上映には、三城真一監督が登壇し、映画の魅力を語った。

■質疑応答■

Q常盤貴子さんをはじめ、豪華なキャストがそろっていますが、現場の雰囲気はいかがでした?
●三城監督「現場は、北海道の函館でロケーションしました。映画らしく1日2シーン、3シーンのペースで撮りました。仲代達矢さんや、八千草薫さんからは色々なお話を聞けましたね。とても楽しかったです。お芝居の話をしたり、シーンの話をしたり、またプライベートの話など、人柄に触れる時間が持てました。この映画はたくさんの人が出ている映画で、オムニバス形式ともいえます。色んな人が色んなシチュエーションで関連してきます。それぞれの俳優さんたちと話している中でのことを、うまく伝えられたらいいなと思います。」

Qテレビドラマを手がけている三城さんが、ラジオを扱った映画をつくるというのが意外なのですが。
●三城監督「『花より男子』とか『クロサギ』などの映画はテレビのスタッフが映画に挑戦する形になりました。しかし、『引き出しの中のラブレター』は映画をずっと撮っているスタッフと共につくった映画です。アプローチはテレビと映画はやはり違うので、とても勉強になりましたね。ラジオも、映画も、そしてテレビも「自分の伝えたいことを伝える」という基本的なことは一緒です。」

Qこの映画の中では、胸の中の想いをラジオを通して伝える事がテーマになっています。監督は胸に秘めている想いというのはありますか?
●三城監督「僕は、映像の中で想いを伝える事が仕事なので、あまり胸に秘めた想い・・・というのは無いのです。あとちょっと勇気を出して言えばいいのに、って事を映画を観る事で、殻をやぶるきっかけになればいいなと思います。人間関係のぎくしゃくを、映画を通して、肩の荷がおりるように感じてもらえたら嬉しいです。」

Q最後に一言お願いします。
●三城監督「あまり肩肘張らずに観てもらいたいです。知り合いの方にも映画を紹介してみて下さい。ありがとうございました。」

心の奥底に隠されている”想い”をラジオを通じて届けたい。ラジオの力で奇跡は起こるのか!? 
映画『引き出しの中のラブレター』は2009年10月、丸の内ピカデリーほか全国にて公開。

(Report:椎名優衣)