今年は281本の応募作品から厳選された11本となっている、短編コンペティション部門。2009年7月11日(土)短編コンペティション部門1『ブランコ』『太陽の石』『アフロにした、暁には』3本が上映され、各作品の監督や出演者が登壇した。

1本目の短編『ブランコ』は監督である藤田峰人が登壇した。
本作はブランコに座る男女3組の、ブランコに心理描写を映し手がけられている作品。本映画祭以外にも海外の映画祭に出品される予定である。
(藤田)「大きなスクリーンで観るのはいいなと思った。この作品は、1番近くにいる人が1番わからないという、お互いがわかりあうことをテーマとした作品。今後もこのことをテーマとして描いていこうと思う。」
現在CMディレクターの仕事を勤めている藤田監督は、今後の活動について、
(藤田)「今回は初めて映画のショート作品を制作しました。CMと映画制作というものは全く異なるものだが、両立しながらも制作していきたいと思う。」と意気込みを語った。
本作で話のキーワードとなるブランコは、藤田監督の知り合いから借りて、撮影場所に持ち寄り撮影を実施したという裏話も披露した。

2本目の短編『太陽の石』は監督である遠藤潔司と、出演する河南花奈が登壇した。
本作は、台詞の1つもない、全編をシルエット映像で作り上げた作品。
(遠藤)「メインスタッフ11名で制作をはじめ、撮影部はどのように撮るのか?ということからはじめ、どうにか映像化していった。この作品を作った経緯は、全編影画を実写で撮りたいという思いから始まり、脚本を書いてから完成まで2年の歳月をかけて制作した。低予算で映画を制作できるデジタル技術の存在があり、感謝している。観て頂いたお客さんの色々な反応を観て楽しみたい。」
(河南)「観てくれてどうもありがとう。撮影したのは真夏で大変でしたが、スタッフの方に色々教えていただいたので良かったです。」
遠藤監督は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の2日後、ロサンゼルス国際映画祭に参加するという多忙なスケジュールを組んでいる。

3本目の短編『アフロにした、暁には』では、監督である藤村享平と出演者である安野遥が登壇した。本作は、シュールで現代的なコメディー作品。昨年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008で短編作品『どん底の二歩くらい手前』が上映されており、今年で二度目の参加となる。
(藤村)「去年も今年もノミネートされ嬉しい。」と喜びを語った。
本作に出演する安野遥とは、昨年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で出会い、ともに制作する経緯に至ったという。
本作の題材となるアフロヘアー。本作のように、監督自身に女性のイメージに従って、アフロに変えようと思った経緯はあるのか?という質問に対し、
(藤村)「この作品を制作していた時期に丁度彼女と別れ、その負のエネルギーをもとに作った(笑)。なので、このような経験は実際にはない。僕にとって基本的に、女の人の方が上、(男は女に従うしかない)っていうものがあり、前回SKIPシティで上映された作品にもその要素はきっと含まれていると思う。」と語った。
本作の演技指導に関して、
(安野)「がちがちに演技を固められるということはなく、自由にシンプルにわかりやすく指導して頂いた。この作品に出演させて頂いた事は良い機会であり、初心にも戻れたので良かった。」とコメントした。

(Report:大倉真理子)