NYで開催された、第9回ニューヨークアジアンフィルムフェスティバル(6月19日〜7月5日)にて『ちゃんと伝える』(園子温監督、AKIRA(EXIEL)主演)が7月5日、クロージング作品として会場をつめかけた現地在住の日本人や映画ファン含めおよそ250人を前に上映されました。上映後にはスタンディングオベーションも起きるなど大絶賛のワールドプレミアとなりました。
舞台あいさつには園子温監督、主演のAKIRA(EXILE)演じる史郎の父親役の奥田瑛二、マーク・ウォルコウ(映画祭プログラマー)が登壇し、集まった観客から大歓声で迎えられ、英語で挨拶する園監督に大きな拍手が寄せられました。また、会場には奥田瑛二の長女の安藤桃子、奥田さんの次女で園監督の『愛のむきだし』にも出演している安藤サクラ、別件の仕事でNY入りしていた岩松了監督(『たみおのしあわせ』)も特別ゲストとして来場しました。

海外にファンの多い鬼才・園監督作品だけに、上映中もユーモアを含むシーンには笑いが起きたり、上映後も鳴り止まないスタンディングオベーションが起こったりするなど、ニューヨークの観客に大いに受け入れられた模様。上映後のQ&Aセッションでは、園監督と奥田瑛二の二人がすっかり息の合ったやりとりでユーモアを散りばめながら場内を盛り上げました。自らガンを患った経験がある女性が画制作に関する悩みを相談したり、奥田さんが次女の安藤サクラから「園監督とは絶対一緒に酒を飲まないでね。お父さんも園監督もお酒が好きで変わり者同士で、一緒に飲んだら撮影を止めて東京に帰ってきちゃうから」と釘を刺されていたことを暴露。また、今後の展望について聞かれた園監督が「ガールフレンドがほしい。早く結婚したい」と舞台上から観客に向かって婚活するというハプニングも起き、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。映画は生と死や、人とのつながりという万国共通のテーマを扱っているためか、観客の理解度・満足度とも非常に高かったようだ。また、園子温監督の『愛のむきだし』も同映画祭で上映され、審査員グランプリを受賞している。

※ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル…北米では人気アジア映画を上映する代表的な映画祭。今回で9回目を迎える。本年は『ちゃんと伝える』の他に『愛のむきだし』、『ザ・マジック・アワー』『ぐるりのこと』などが上映された。