青春ヒップホップ映画『SRサイタマノラッパー』(入江悠監督)の渋谷ユーロスペースでの1週間限定アンコール上映が6月26日に最終日を迎えた。最初の劇場公開館(3月14日初日)であった池袋シネマロサでは、同劇場のレイトショー初日の観客動員数字を更新する大ヒットを記録し、公開期間が1週間延長されるなどの好調をうけての、今回のアンコール上映であったが、ユーロスペースでもたった1週間のうちに700人以上動員し、連日満席立ち見状態が続く大盛況で、リピーターも多く、改めてその人気の高さを知らしめた。

 RYMSTERの宇多丸さんをはじめ、漫画家の渡辺ペコさん、久住昌之さん、評論家の切通理作さんなど多彩なゲストを連日迎えてのトークイベントが繰り広げられてきたが、最終日は劇中のヒップホップクルー“SHO-GUNG”がトリを務め、持ち歌「教育金融ブランニュー」、「俺らSHO-GUNG」を熱唱。熱狂する会場をいさめるように、主人公IKKUを演じた駒木根隆介が“伝説になるには早い!!”とばかりに熱のこもったフリースタイルを突如披露し、会場を更に沸かせた。

「ニートラッパー」「ブロッコリーラッパー」「おっぱいパブラッパー」などそれぞれのラッパーのキャラクター性が“SHO-GUNG”の魅力だが、これは監督がキャラに合わせて書いたネタを、HIPHOP監修の上鈴木伯周がリリックにおこし、音楽の岩崎太整らとともにトラックメイキングし、さらにそれを役者である駒木根隆介、水澤伸吾、奥野瑛太らがラップの猛特訓を経てパフォーマンスすることでこの“SHO-GUNG”の世界観を作り上げている。
自らリリックを書き、ラップを披露しているリアルラッパーではないものの、今回の劇場公開のPRを通して、全国各地でライブを重ね、観客に“SHO-GUNG”をパフォーマンスしてきた自信が、この日のIKKUのフリースタイルに表れていた。1年以上も“SHO-GUNG”としてパフォーマンスしてきた彼らは、もはやレッキとしたラッパーなのではないか。IKKU、TOM、MIGHTY役者陣だけを指すのではなく、監督、スタッフ合わせて全員がヒップホップクルー“SHO-GUNG”なのだ。

来月には、韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭で招待上映されるなど、本人たちの思惑を超えてこの映画はどんどん世界へと羽ばたこうとしている。ヒップホップの本場である憧れのアメリカへその想いが届くの日も近い!?

(Report:綿野かおり)

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