ギネスにも認定された富士急ハイランドの人気お化け屋敷である戦慄迷宮をモチーフとした、3D実写映画化『戦慄迷宮3D』。
デジタル3Dの実写化は本作が日本初となり、『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ホーンデット・マンション』など海外ではこれまでにもアトラクションの映画化はあったものの、日本では初の試みである。
実際に戦慄迷宮を巨大なセットに見立てて撮影するも、映画ではあくまでオリジナルストーリーが展開されるとの事。
10月公開に向けて撮影中の現場が公開され、プロデューサーをつとめるアスミック・エースの谷島正之プロデューサー、そして『呪怨』でお馴染み、同作のリメイク版も監督しジャパニーズ・ホラー界として世界に名を知らしめた清水崇監督から、本作への意気込みを伺った。

『戦慄迷宮3D』の企画人である谷島プロデューサーは、「日本初のアトラクションを原案としたアトラクションムービーであり、日本初のデジタル3D長編映画であり、清水監督の3年ぶりの新作であるという、三拍子揃った画期的な作品。」と自信のほどを語る。
作品のイメージについては「これはホラーではなくスリラー映画。『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督や、『ロスト・チルドレン』、クリス・カニンガム監督のマドンナのPV「フローズン」などの、おぞましいけど美しい世界観を目指した。」との事。
柳楽優弥、前田愛、勝地涼、蓮佛美沙子、松尾スズキというキャスティングに関しては、「和製ホラーらしいキャスティングにはなっておらず、5人5用それぞれが別ベクトルで好演している。」とコメントする。

演技について、柳楽は「普段はホラーを観ないので、最初はどうすればいいのかわからなかったが、大げさなものではなくて安心した。感情の動きをいかに見せるかを考え、自然に演技している。」とコメント。
現場での撮影は「清水監督と話が合うので、凄く楽しい。」との事である。
勝地は「お化けに驚くというよりも、人間に驚くという方向性なので演じるのは難しいけれど面白さを感じる。」と意気込みを語った。
谷島プロデューサーによると演技は「『エクソシスト』の神父のような重い演技をして欲しい。」との事で、予想を裏切るようなドラマティックなものになるそうである。

また、特殊メイクは『東京残酷警察』(08)や今夏8月に公開が控える『吸血少女フランケン』と監督としても活躍する西村喜廣率いる西村映造が担当。
アトラクションのイメージに基づき、今回は血糊を多用せず錆び付いた雰囲気を演出するそうである。

気になる3D映像撮影用のカメラに関しては谷島プロデューサー曰く「年末公開のジェームズ・キャメロン監督の3D映画『アバター』に使用されているカメラは巨大。日本はどう対抗するか考えた結果、IMAGICAのバックアップを受けカメラをコンパクトにする事に成功した。」との事だ。
デジタル3D技術は、イマジカが前面バックアップ。ウォークスルー型(来場者が自主的にアトラクションの中を歩く方式)で、飛び出す映像と共に、奥行きのある立体感があるため、外に出るまでに50分はかかるという“セット”を存分に生かす事が可能となった。

撮影時には、レンズの2つ付いたカメラで撮影を行い、清水監督は2つの映像が合成された映像を3Dメガネで確認する。
本作を制作する上で『ブラッディ・バレンタイン3D』を参考にしたと清水監督は語る。
撮影時の技術的な面においては「普通の映画の撮影とは違い、派手な寄りや引きのカットのつなぎをやめ、3Dの効果が損なわれる為、画面から見切れているものがないようにしている。」という。

現在、ハリウッドでは急速に3D映画が製作されており、日本の劇場でもこの夏で180スクリーン、年末には250スクリーンが3D対応するのではとも言われている。
谷島プロデューサーは「まだまだ3Dを他の切り口でやりたい事は沢山あり、『戦慄迷宮 3D』は日本初の3D映画としてのパイロット版とも言えます。フランチャイズ化できるだろうという確信もあり、今後3D映画を製作する上で重要なのは“何故3Dなのかを明確にする事”です。」と今後の展望を語った。

製作費は明かされなかったが「3Dは普通の映画の3倍費用がかかると言われており、6億ぐらいに見えると思います。」との事で、期待が高まるところだ。
現在も撮影は順調に進行中、公開予定は今年10月。

(池田祐里枝)

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