6月6日から公開されている役所広司第1回監督作品の『ガマの油』
その大ヒット御礼舞台挨拶が、父の日である6月21日に行われ、役所広司監督が登壇されました。

MC:まずは挨拶をお願いします。
◆役所「この雨の中お越しいただきありがとうございます。
   いろいろな映画が公開されている中、この『ガマの油』を観に来ていただき感謝しております。
   今日は父の日ということで、ちらほらお父さんの姿も見えますが、楽しんでいってもらいたいと思います。」

MC:役所監督自ら演じておられる父親は一風変わった役ですよね?
◆役所「そうですね、大人になりきれない大人というんですかね。人生ゲーム感覚で生きてるような男でね。すべてがお金で買えると信じ込んでいるお父さんでしたね。」

MC:そのような役を演じる際に役作りなどで一番大変だったことは?
◆役所「なるべくダメな大人を演じることが今回の課題でした。」

MC:今日は父の日ですが、ご自身の父の日の思い出はなにかございますか?
◆役所「母の日はあるんですが、僕が子どもの頃には父の日の記憶はないですね(笑)お父さんはかわいそうですね。」

MC:たとえば「肩たたき券」をあげたとかは?
◆役所「それもおふくろですねぇ(笑)」

MC:逆にご自身がお父さんになってからお子さんになにかプレゼントされたことは?
◆役所「ないですねぇ(笑) でも今は携帯でメールが簡単にできるので、軽く“父の日おめでとう”くらいはあります。」

MC:世の中のお父さんに激励のお言葉をいただけますか。
◆役所「家の中の粗大ゴミのように言われるお父さんが多くなったかもしれませんけど、そんな中でも各家庭でお父さんは尊敬されているんだと信じていたいですね。
 僕の小さいときはお父さんは本当に朝から晩まで働いていて、商売をやっていたんですが、その商売が僕が高校生のときにうまくいかず仕事を辞めるまでずっと親父の苦労を見てきましたが、そのように子どもって父親の記憶はずっと残っているものだと思うんですね。
 今日は父の日ということで親父のことを思い出したんですが、すごく小さい頃に膝の上にのせてもらって、かたい豆を親父に噛み砕いてもらってまるで鳥の親子のように食べさせてもらったことは今でも記憶に残っています。
 お父さんたちも充分可愛がってあげたんだっていう気持ちをずっと持っていれば、自信を持って父親として接していけばいいのかなと思います。手紙なり対話なり、少しでもできればいいんでしょうね。父親は子どもが大人になると男同士で恥ずかしいと思ってしまいますが、そこで勇気を持ってちょっと話しかけるというのは大事かなと自分自身思っています。」

MC:最後にもう一度監督の映画に対する想いや観客の皆さんへのお言葉をお願いします。
◆役所「『ガマの油』をいろんな意味で楽しんでいただけたらうれしいです。
 日本映画は今興行的にもうまくいっているし、いい状態だと思います。でもその中でもっといろんなタイプの映画が出てきたらもっと楽しくなるんじゃないかと思っています。そういう意味では『ガマの油』は個性的な映画でありますけれども、先に黄泉の国に行っている自分の家族のことだとか、今は別れてしまったけれどその人がどこかで見守ってくれているとか、そういうことを想像しながら観ていただけるとより楽しいかな。
 この映画は必ずしも一つの方向に導く映画ではないので、それぞれみなさんの想像力で観ていただけたらきっと面白い映画になるんじゃないかと信じています。
 どうぞ今日はゆっくり楽しんでいってください。そしてこれは必ず言わなければいけないことなんですが、本当に面白かったらいろんな人に勧めてください(笑)どうぞよろしくお願いします。」

(Report:菊田ひとみ)