大正期から1970年代まで、大衆の秘匿された欲望を8mmフィルムに焼きこんだ“ブルーフィルム”。国家権力とAVに駆逐され姿を消した伝説のズリネタにインスパイアされて作られたショートフィルムたちを集めた映画『ブルーフィルムズ BLUE FILMS』が、6/20(土)公開初日の上映前に各作品の監督による舞台挨拶が行われ、清水厚監督、山田広野監督、蔭山周監督、千木良悠子監督が登壇した。

◇ブルーフィルムという作品の見どころは?◇
清水厚監督「ブルーフィルムは、わりかしいかがわしい作品ではあるけれど、キレイに撮ろうとは意識していました。原作である大槻ケンヂさんの“散文詩”「なつみさん」に個人的経験をプラスして青春映画っぽくなっています。青春ものに転んだ映像美と、雰囲気を十分に味わってほしいです。」

蔭山周監督「深く考えずに、感じてもらいたいです。気楽にご覧になってください。」

千木良悠子監督「みなさんに、楽しんでいただけたら嬉しいです。告知なのですが、辛酸なめ子さんと共同で『だれでも一度は、処女だった』(理論社)を今年2月に発売しました。処女喪失について書かれた本です。是非手にとってみてください。」

山田広野監督「見どころはトラッシュムービーの限界に挑戦している事です。とんでもない作品になったと感じておりますが、かといって私自身気に入った映画となっております。皆様、楽しんでいってください。そして、私も告知なのですが、渋谷アップリンクXにて21(日)・27(土)・28(日)15:00〜映画『バサラ人間』(山田広野監督作品)が公開しております。そちらの方もよろしくお願いいたします。」

登壇された監督の映画『ブルーフィルムズ BLUE FILMS』作品は以下の通り。

●『NATSUMISAN』
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2004フォーラムシアター部門作品
2005年/日本/カラー/スタンダード/ステレオ/25分

大槻ケンヂの“散文詩”「なつみさん」原作。壊れていく少女と僕の切なくて奇妙な恋のオ・モ・イ・デ。

小学校の時に転校していった“なつみさん”と“僕”は高校で再会した。なつみさんは僕を見ていた。そして、校舎の3階の窓から落ちた・・・。ノスタルジックな夕暮れと校舎、田園風景、鉄塔、線路、河原・・・。僕はなつみさんの意識に、少し触れた。「見てはいけない何か」、そのエロティシズム。誰もが心の奥底にしまいこんでしまった、そんな切ないオ・モ・イ・デ・・・

監督:清水厚

●『穴奴隷伝説』
2005年/日本/カラー/スタンダード/ステレオ/13分

自作自演活弁監督、山田広野が描き出すガールズパンクバンドの真実!?

自作の映画に自らが活弁をつけるという突然変異的な方法論をもって登場した、映画史においても真に希有な自作自演活弁監督山田広野が送るエロス&バイオレンス・コメディ!ガールズパンクバンド穴奴隷の盛衰を似非ドキュメンタリータッチで描き出す!!

監督:山田広野

●『しょじょ を かる』
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアターコンペ作品
2005年/日本/カラー/スタンダード/ステレオ/16分

「あなたは処女を失った時のこと・・・」ドキュメンタリーとドラマが織りなす、あぶないエロスの胸騒ぎ。

「俺の仕事はしょじょ を かる こと。しょじょ を かる ことは、とても面白い。」しょじょ を探して東京中を駆け巡るアルプスとキナ子。一方、物語の狭間では、男女二人組の監督が、女の子たちに処女喪失のエピソードを尋ねるドキュメンタリーが展開される。虚実は次第に入り交じり、彼らがたどりついたのは・・・?

監督:蔭山周 / 千木良悠子

蔵出しのいかがわしさと、美しい映像美が融合した映画『ブルーフィルムズ BLUE FILMS』
6月20日から7月3日までアップリンクXにてレイトロードショー。

(Report:椎名優衣)