昨年の釜山映画祭でのお披露目から約8ヶ月、世界中の映画祭から衝撃と感動のメッセージを集め、どこの上映会場でも予定時間を越える監督とのティーチインは、日本でも話題になっています。そんな話題の映画『精神』が待望の公開初日を迎えました。
 会場のイメージ・フォーラムでは早朝から並ぶ観客もあり、初回上映では、立見がでる状態でした。
 舞台挨拶では、想田和弘監督、作品の舞台となった「こらーる岡山」の山本昌知医師、障害者自立支援法の見直しなどに取り組んでらっしゃる川田龍平参議院議員がスペシャルゲストとして応援に参加、作品について語りました。

◇登壇者からのご挨拶◇

●山本昌知医師「このような舞台に立つのは苦手なのですが、本日は皆様お越し下さり本当にありがとうございます。」
●想田和弘監督「本日はお忙しい中、ありがとうございます。出演してくださった患者さんたちにお礼をいいたいです。精神病とは言いにくい中で、あえてモザイク無しの素顔で出演して下さりました。不安になられた方もいたと思います。本当に感謝しております。また、映画の撮影を受け入れてくださった山本先生にも感謝しております。」
●川田龍平参議院議員「障害者自立支援法の見直しの関係で想田監督と知り合いました。本日はお越しくださりありがとうございます。」

◇質疑応答◇

Q山本医師にうかがいます。診療所「こらーる岡山」での撮影を何故許可されたのですか?
●山本医師「想田さんや、患者さんの集まりと議論しました。個人個人の了承を得た上でなら撮影を許可する事にいたしました。」

Q想田和弘監督は、2007年公開の映画『選挙』も話題になりましたが、今回は何故心の病をテーマに選んだのですか?
●想田監督「自分自身、燃え尽き症候群にかかったんです。すぐに回復はしましたが、それまでの精神疾患に対する考えが変わりました。精神病は自分には無縁であると思っていましたが、社会に出て仕事をしていると何度も精神的に疲れて追い込まれたんです。そんな人はたくさんいると思います。しかし、一般社会と精神病患者との間には見えないカーテンでふさがれている。僕の仕事は、カメラの力でカーテンを取り除く事。そして、精神病と向き合い、何を得るのかはお客様の仕事だと思います

Q川田さんは障害者自立運動を支援していらっしゃいますが、映画のご感想は?
●川田参議院議員「患者さんが映画に出てくれる事自体がすごい事なんですよ。出演してくれるって事は伝えたい事があるからだと思います」

Q最後に一言メッセージをお願いします。
●川田参議院議員「今の社会に関心を持ち自分の事として、映画『精神』をみていただけたらなと思います。」
●山本医師「みなさんには、一部ではなく全体を理解していただきたいんです。そして、価値観の違いや、その人らしさを尊重して欲しい。この願いが叶えば、映画の役割は果たせていると思います。生きてよかった、と出演者が感謝してくれればいいんです。」
(この山本医師の言葉に、会場からは暖かい拍手が沸き起こった。この言葉の意味は、映画を観ていただければわかります)
●想田監督「映画をきっかけに議論していただきたいです。本日は本当にありがとうございました。」

上映終了後は、近くの公園で、山本昌知医師による公開生き方相談も行い、予定終了時間を1時間を越えるほど。多くの映画を鑑賞した方は、自分の生き方について先生に相談していました。

また、印象的な詩を書き溜めている診療所「こらーる岡山」の詩人・菅野さんの詩は、映画公式サイトで、公開しています。
監督の公開までの日記は、mixiで紹介しておりコミュニティでも日々反響が寄せられています。
上映は、渋谷イメージ・フォーラムを皮切りに全国で順次ロードショー公開されます。

(Report:椎名優衣)